希薄だった執着心 高田監督 求心力の低下は顕著だった

[ 2010年5月27日 07:47 ]

 高田監督はヤクルトに来る前は日本ハムでゼネラルマネジャーだった。戦力分析にたけ、彼我のチーム力の差は的確に分析できる。だからこそ、現状に早々と見切りを付けられたのだろう。

 今、球団は新外国人選手獲得やトレードに動いている。高田監督はかねて球団の支援の少なさに不満を抱いていたが、ヤクルト球団に潤沢な資金はなく、過度な期待ができないこともよく理解していた。
 フロントとしての豊富な経験に裏打ちされた「物分かりの良さ」は、グラウンドでは勝利への執着心の希薄さに表れていた。不調でも主力には劇的な手を打つのを避け、戦術の硬直化も目に付いた。年齢が離れ過ぎた選手との関係性も浅く、ここに来て求心力の低下は顕著だった。
 「最後に(チームを)変えるのは監督を辞めること」。現場もフロントも知り尽くした指揮官。自らの辞任が最大のカンフル剤になるという冷静な見立ては、皮肉にも正しいと言えるのかもしれない。

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2010年5月27日のニュース