ざわめくスタンド 福留の弾丸ライナーに凍りつく

[ 2010年4月3日 17:03 ]

 【カブス3―5ダイヤモンドバックス】8回、カブスの攻撃。6番打者としてアドゥシの名前がコールされるが誰もベンチから出てこない。一瞬の間を置いて手袋をしながら慌てるように福留孝介外野手がグラウンドに飛び出した。

 状況がつかめず、ざわめくスタンド。その中で2ストライクと追い込まれながら7球目の変化球を完ぺきにとらえる。右翼席への弾丸ライナーがオープン戦1号本塁打となり、敵地のファンは静まり返った。
 8回、6番に入っていた投手の打順に合わせて代打の準備をしていた。結局、直前で打席が回らず、その裏に投手が代わり、守備要員としてアドゥシが外野へ向かった。
 通常、このケースは野手と投手を同時に入れ替える“ダブルスイッチ”。福留も「これで代打があるとすれば、9回になると思った」とベンチ裏でひと休みしていた。
 だが、実際は6番に投手が入り、アドゥシは2番に入っていた。このことがベンチにいた選手や公式記録員、場内アナウンスにも伝わっていなかった。
 急な出場となったが、「2ストライクと追い込まれたし、ある意味、集中できた」と、不測の事態でも完ぺきな仕事をやってのけた。「ああいう状況でもしっかり反応できて、いいスイングができた」。結果的には満足な打席となった。(共同)

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2010年4月3日のニュース