試合前に衝撃も…ラミレス“4番の決意”の連発

[ 2010年4月3日 06:00 ]

7回1死、ラミレスは左越えに勝ち越しソロを放つ

 【巨人5-4広島】前夜は内海に譲ったヒーローインタビューで、ラミレスはファンの歓声に応えた。外国人史上最多となる9本目の満塁弾で今季1号を放ってから一夜。勢いそのままに、値千金の同点弾と決勝弾。2戦連発で4番が完全に目を覚ました。

 「いいパフォーマンスができたね。神様に感謝している。(2本とも)とてもいい感触だった」
 意地と貫禄の2発だった。前田健の外角低めに鋭く曲がり落ちるスライダーに手を焼き、2打席目まで連続空振り三振。3点を追う5回1死一、三塁。初球も同じ球種に空振りしたが、4球目、わずかに高く浮いたボールをこん身の力で左中間席に運んだ。「スライダーを意識していた。唯一甘く入ったボールをしっかりとらえられた」と3度目の正直を誇った。
 7回は3球目の直球を叩いて決勝ソロ。この打席、スライダーは1球もなかった。前の打席で強烈な残像を残し、相手バッテリーからスライダーの選択肢を消した。「コンディションは良くなってきたし、自分のパワーを感じた。この状態をキープできればいい」と話した主砲に、伊原ヘッドコーチも「ラミちゃんがいい仕事をしてくれた。それだけでしょう」と手放しの賛辞を送った。
 試合前に木村拓コーチが倒れ、ナインに衝撃が走る中で、4番がチームを今季初の連勝に導いた。ラミレスは言った。「頭を切り替えるのは簡単ではなかったけれど、試合に勝つためにベストを尽くした」。だからこそ、本塁打後はあえて普段通り、元気にパフォーマンスを披露した。ベンチでも笑顔を絶やさなかった。「木村コーチにできることは、神にお祈りすることだけ」。グラウンドでは、ただ勝利を目指す。4番の決意だった。

 <30度目の1試合2発>ラミレス(巨)が同点2号3ラン、勝ち越し3号ソロと2ホーマー。ラミレスの1試合2本塁打は通算30度目。セでは江藤(広、巨)と並ぶ8位タイに進出した。また1試合でV打を含む2本の殊勲本塁打はヤクルト時代の02年8月6日中日戦、04年9月14日横浜戦、同年9月30日中日戦とあったが、08年巨人移籍後は初めてだ。

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2010年4月3日のニュース