【前回の鎌倉殿の13人】第15話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「上総介広常 浅き夢見し」

[ 2022年4月24日 08:00 ]

イラストレーターの石井道子氏が描いたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第15話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「上総介広常 浅き夢見し」
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は24日、第16話が放送される。新進気鋭のイラストレーター・石井道子氏が描く“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)とともに「神回」となった前回の第15話(4月17日)を振り返る。

 <※以下、ネタバレ有>

 ヒットメーカーの三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第15話は「足固めの儀式」。源義経(菅田将暉)率いる一軍が迫っていると知った木曽義仲(青木崇高)は、後白河法皇(西田敏行)を捕らえて京に籠もる。一方、都ばかりに目を向ける源頼朝(大泉洋)に対し、御家人たちが失脚を企み、鎌倉は二分。義仲の嫡男・義高(市川染五郎)を旗頭とする反頼朝派には、上総広常(佐藤)も加わった。北条義時(小栗)は御家人たちの計画を潰すため、大江広元(栗原英雄)らと連携し…という展開。

 すべては広常を脅威に感じていた頼朝の謀略だった。広常粛清――。「最も頼りになる者は、最も恐ろしい」「敢えて謀反に加担させ、責めを負わせる。見事な策にございます」「明日、御家人たちを御所に集め、その席で、皆の前で斬り捨てるというのはいかがでしょう。見せしめにするなら、効き目は大きい方が」(広元)。頼朝に命じられた梶原景時(中村獅童)の刀が広常の身体を貫いた。その場は凍りつき、目の当たりにした御家人たちは動けない。頼朝は「今こそ天下草創の時。わしに逆らう者は何人も許さん。肝に銘じよ!」と怒声を上げた。

 そして、広常の館にあった鎧の中のから封書が見つかる。頼朝は「子どもの字か。読めん」。義時は広常が読み書きの稽古に励んでいたと告げ、代わりに読み上げた。「これから三年のうちにやるべきこと。明神様のための田んぼをつくる。社もつくる。流鏑馬を幾度もやる。これすべて…鎌倉殿の大願成就と、東国の太平のため」――。頼朝はハッと何かに気づいたような表情。義時から渡された文に再度、目を通したが、丸めた。立ち上がり「あれは謀反人じゃ」と、その場を後にした。

 義時と夫婦になった八重は男児を出産。「義時に長男が誕生したのは、この年、寿永二年のこと。のちの北条泰時」(語り・長澤まさみ)。抱いた赤子の泣き声を聞き、義時の表情が曇ったかに見えた。

 今回の“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)は、夢破れた広常の壮絶な最期を表現した。

 ◇石井 道子(いしい・みちこ)絵描き。千葉県生まれ。ブランド情報発信拠点「メルセデス・ベンツ コネクション」におけるJ―WAVEによる展示パネルPOP制作、ウェブマガジン表紙などを手掛ける。「ALL OF SHOHEI 2021 大谷翔平写真集」「スポニチ URAWA REDS 2021 浦和レッズ特集号」(スポーツニッポン新聞社)などにイラストを掲載。ライブペインティングや即興似顔絵も各地で行う。

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