健大高崎の2年生右腕・石垣 今大会最速タイ149キロ!7年ぶり8強に貢献

[ 2024年3月27日 05:00 ]

第96回選抜高校野球大会第7日・2回戦   高崎健康福祉大高崎4―0明豊 ( 2024年3月26日    甲子園 )

<高崎健康福祉大高崎・明豊>9回、明豊・芦内を遊ゴロに仕留め、ガッツポーズをする高崎健康福祉大高崎・石垣(撮影・平嶋 理子)
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 2回戦2試合が行われた。高崎健康福祉大高崎(群馬)は、8回から救援した石垣元気投手(2年)が今大会最速タイの149キロをマークするなど2回を無失点。明豊(大分)を4―0で退け、17年以来の8強を決めた。大会連覇を狙う山梨学院は創志学園(岡山)に完封勝ち。天候不良により開始時間を遅らせた影響で中央学院(千葉)―宇治山田商(三重)は順延され、27日の第1試合に組み込まれた。

 雨がやみ、聖地に差し込んだ陽光を「元気玉」が貫いた。4―0の9回2死。石垣の真ん中高め直球が、大阪桐蔭・平嶋桂知(3年)に並ぶ今大会最速の149キロをマークした。最速150キロを誇る2年生右腕の底知れぬ能力に、スタンドがざわついた。

 「ボールは走っていました。(149キロが出て)うれしかったんですけど、150キロを出したかった」

 エース左腕の佐藤龍月(りゅうが)とのスーパー2年生コンビで、2試合連続無失点リレーを達成した。雨の影響で午前9時開始が午後1時、同1時30分と2度も変更される難しい状況で、先発・佐藤が7回2安打無失点。初戦に続き8回からは石垣が救援し、2回1安打無失点3奪三振の快投を見せた。青柳博文監督も「前の試合より制球されていて球速も上がっていて頼もしかった」と称賛。17年以来7年ぶり4度目の8強進出に導いた。

 その名も元気。今大会随一の「元気」な直球を投げる16歳は、「歩夢」と名付けられる予定だった。07年8月。母・美樹さんのおなかにいた石垣は出産予定日から2週間たっても、生まれてこなかった。心配した両親は「元気で生まれてくれればいい…」と変更。祈りは通じ、故郷の北海道から群馬の名門校に越境入学するほど立派に育った。

 好きなアニメは1日に亡くなった鳥山明氏原作の「ドラゴンボール」で「ギリギリの戦いが好き」と言う。一番のお気に入りは、皆の力を集結する孫悟空の必殺技「元気玉」。「名前と重なっているので気に入っている」と目を輝かせる。

 あす28日の準々決勝は前年覇者の山梨学院と戦う。決勝まで勝ち進めば4日間で3試合の超過密日程となるが「2人で優勝してやろうと思います」と、佐藤との共闘を誓う。白星を集める魔訶(まか)不思議アドベンチャー。あと3勝で夢がかなう。(柳内 遼平)
 ◇石垣 元気(いしがき・げんき)2007年(平19)8月16日生まれ、北海道登別市出身の16歳。登別市立西小1年から柏木ジュニアーズで野球を始める。登別西陵中では洞爺湖リトルシニアに所属し、北海道選抜に選出。憧れの選手はオリックス・山下。1メートル76、71キロ。右投げ左打ち。

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