【スポニチ評論家座談会～パ編（1）】オリックスかソフトバンクか　投手力は互角、打力は…

[ 2024年3月27日 07:00 ]

　オリックスから山本由伸がドジャースに、山崎福也が日本ハムに動いたことで、パ・リーグの勢力図は変わるのか。スポニチ評論家陣23人による順位予想は、昨季同様に「2強」の様相を呈しつつも、14対9でソフトバンクがやや優勢。座談会では、4連覇を目指すオリックスが2人合わせて昨季27勝の穴をどう埋めるか、その2強に迫るチームなど、議論は白熱した。　（構成・鈴木　光）

　――オリックスが4連覇を目指すパの展望をお願いします。
　大野豊氏　オリックスは山本と山崎が抜けた穴をどう埋めるか。昨年の86勝からは当然落ちる。中嶋監督は勝ち方を知っているだけに大きく落ち込むことはないとは思うが、埋め合わせができるかは不安。山川も加わったソフトバンクの得点力が上がる。モイネロが先発に加わったのも大きい。いずれにしても盛り上がる展開になる。

　野村謙二郎氏　オリックスは2人が抜けても強いと思う。山本が抜けたから、と言われたくないと選手は思っているはず。新しい戦力がブレークするきっかけにもなる。ソフトバンクも安定した強さを持っているが、選手が入れ替わる時期で、投手が少し弱いかなと感じる。

　矢野燿大氏　ソフトバンクは投打のバランスが良くなった。山川の加入で凄い打線になったし、投手陣も厚みがある。普通にやれば間違いなく優勝争いできるチームだと思う。オリックスは2人が抜け、300イニング、貯金で15くらいのマイナス。宮城を中心に補える可能性はあるが2位にした。

　関本賢太郎氏　オリックスとソフトバンクの投手力は互角になった。打力では客観的に見て、ソフトバンクが上。競ったらソフトバンクが僅差で上回ると思う。

　広澤克実氏　小久保監督は2軍監督として、この2年間、相当に勉強したと思う。オリックスと実力は互角だと思うが、このシーズンに懸けてきた監督の思いに期待したい。

　佐々岡真司氏　オリックスの2人が抜けたことで混戦状態になる。昨年から差は縮まる。山川が加入したソフトバンクは打力でオリックスを上回ると予想した。

　赤星憲広氏　2人が抜けたのは大きいが、投手力はこれでソフトバンクといい勝負になる。一方モイネロを先発に回すソフトバンクはメンバーを見ると、打線のカバーが絶対に必要。オリックスも西川の加入で攻撃のバリエーションが増える。ロッテは佐々木が一年バリバリ投げて、タイトルを総なめするようになれば下にはいない。そのくらいやらないとメジャーは実現しないから、注目選手だ。

　能見篤史氏　ソフトバンクのポイントはオリックスとの直接対決。昨年まで山本がここで勝っていた。それがなくなって順位は変わる。ただモイネロが先発に行くことで後ろが落ちる。そこがどう出るか。ロッテの佐々木は投球の制御がなかなかできずに苦しんでいた。オープン戦の最後に何とか結果を出したことをシーズンにつなげることができるかどうか。状態をいかに維持できるかがポイントだと思う。＝（2）につづく＝