【センバツ】日本航空石川・宝田主将「苦しい思い以上にいろんな人の支えがあって自分たちも野球ができた」

[ 2024年3月25日 12:16 ]

第96回選抜高校野球大会第6日第1試合 1回戦   日本航空石川0―1常総学院 ( 2024年3月25日    甲子園 )

<日本航空石川・常総学院>初戦で敗れ引き揚げる日本航空石川ナイン (撮影・奥 調)
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 1回戦最後の試合は、4年ぶり3回目出場の日本航空石川(石川)と、3年ぶり11回目出場の常総学院(茨城)が対戦。0―1で敗れ、6年ぶりの初戦突破はならなかった。

 先発した背番号11の左腕・猶明光絆(2年)は、1メートル84の長身から投げ下ろす直球と大きく曲がり落ちるカーブなどを駆使。初回、いきなり先頭打者に左翼線二塁打されたが、後続を抑えて無失点で来切り抜けると、2回は3者凡退。3回は1死二塁、4回は1死一、二塁、5回は1死二塁のピンチを切り抜けた。6回1死三塁から右犠飛で先制を許したが、8回途中で降板するまで1失点の粘投を見せた。

 しかし、打線は、常総学園のプロ注目の最速149キロ右腕・小林芯汰(3年)の前に沈黙。2回1死から段日向樹(3年)のチーム初安打となる中前打を足掛かりに2死二塁としたが、加藤一翔(3年)は空振り三振。4回には1死二塁から荒牧拓磨(3年)が捕飛、2死一、三塁から河田拓斗(3年)は空振り三振に倒れた。7回1死三塁、9回1死一、三塁の好機にも得点できなかった。

 1週間以上前から、午前9時開始の第1試合に合わせて午前4時30分~5時に起床。午後10時就寝を目指し「昼寝禁止」でこの試合に向けて体調を整えてきた。

 能登半島地震で輪島市の学校は大被害を受け、年明けの全体練習開始が1月19日までずれ込んだ。山梨県にある系列校などに練習拠点を移してからも、野球関係者に限らず多くのサポートを受けてきた。「勝利を届けることが1つの恩返し。泥くさく元気にプレーする自分たちの野球で、多くの人が笑顔になれば」と口をそろえるナインが、特別な思いを胸に秘め、普段通りの野球で勝利を目指したが、あと一歩及ばなかった。

 試合後、宝田一慧主将(3年)は「今までいろんな人の支えでこのような素晴らしい場所で試合ができた。勝てなかったのは本当に残念ですけど、自分たちの全力プレーというのが現地であったり、テレビであったり、いろんな形で少しでも届いてくれたらいいなと思います」と言い、被災からきょうまでについて「本当に苦しい思いもたくさんしてきたんですけど、それ以上のいろんな人の支えがあって自分たちも野球ができた。近江高校さんの応援であったり、いろんな人に感謝したい」と話した。そして、「環境というのを言い訳にしてはダメだと思う。与えられた環境の中で自分たちができることをやっていくのをこれからも続けていきたい」とし、「野球をすることが当たり前じゃないというのが全員分かったんで、野球に対する姿勢であったり、気持ちの入れ方とか。いろんな人が支えてくれたおかげで、野球に集中してできたというのは本当に今までと違った部分と思います」と振り返っていた。

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