【センバツ】祖母をおぶって避難、日本航空石川・福森は伝令でナインを後押し「必ずここへ帰ってくる」

[ 2024年3月25日 13:54 ]

第96回選抜高校野球大会第6日第1試合 1回戦   日本航空石川0―1常総学院 ( 2024年3月25日    甲子園 )

<日本航空石川・・常総学院>8回のピンチにマウンドに集まる日本航空石川ナイン(撮影・大森 寛明)
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 1回戦最後の試合は、4年ぶり3回目出場の日本航空石川(石川)と、3年ぶり11回目出場の常総学院(茨城)が対戦。0―1で敗れ、6年ぶりの初戦突破はならなかった。

 能登半島地震で輪島市の学校は大被害を受け、年明けの全体練習開始が1月19日までずれ込んだ。山梨県にある系列校などに練習拠点を移してからも、野球関係者に限らず多くのサポートを受けてきた。「勝利を届けることが1つの恩返し。泥くさく元気にプレーする自分たちの野球で、多くの人が笑顔になれば」と口をそろえるナインが、特別な思いを胸に秘め、普段通りの野球で勝利を目指したが、あと一歩及ばなかった。

 輪島市内の祖母宅で被災、祖母をおぶって避難した福森誠也(3年)は、8回2死満塁のピンチの場面で、伝令としてマウンドの長井孝誠(2年)のもとへ。「長井が少し感情的になってコントロールにばらつきがあったのでランナーを気にせずに、冷静にストライクゾーンを目掛けて思い切り腕を振れというのと、フォームの修正とみんなで帽子に書いた言葉を見て、ピンチの場面だったんですけど、しっかりここを投げ切ろうということを伝えました」と福森。長井は見事に三振でピンチを切り抜けた。

 祖母から「甲子園を楽しんでおいで」とLINEが来たという福森は、試合後、「自分たちの全力をだして、負けちゃったので…最後は勝ちたかったです。やっぱり勝ちたかったです。北岡のファインプレーとか、最後宝田が出たりとか、最後の最後まで粘って自分たちの出せるところまで出して、全力プレーができたかなと思います」と話した。夏へ向けては「必ずここへ帰ってきて全国制覇という目標を掲げて戻ってきたいです」と誓っていた。

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