【スポニチスカウト部(17)】日本ウェルネス・ワォーターズ璃海 俊足生かした守備力が武器

[ 2023年5月30日 06:00 ]

昨秋から1番に定着し打線をけん引するワォーターズ
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 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第17回は日本ウェルネス(沖縄)のワォーターズ璃海(りかい)内野手(3年)。高い身体能力が目に留まり、徐々にスカウトから注目される存在となった遊撃手の心境に迫る。 ドラフト速報

 広い守備範囲と、攻守ともにスピード感あるプレーが、徐々にスカウトの目に留まり、注目されるようになってきた。ワォーターズの心は揺れている。「大学卒業後かなと思っていたが、高校からでも行きたい」。夢だったプロへの扉が急に近づき「ずっとプロ野球選手になりたいとは思っていた」と目を輝かせている。

 米バージニア州で、米国人の父と日本人の母の間に生まれたワォーターズ。2歳で沖縄へ引っ越し「米国での思い出はほとんどない」と照れ笑いを浮かべたが、目標であり憧れの選手はWBCの米国代表としても活躍したトレー・ターナー(フィリーズ)とスケールは大きい。

 小学生時代は捕手、中学では外野を守っていたが「自分は内野が合っていると思った。そして格好いいから」と高校から本格的に遊撃に挑戦。五十嵐康朗監督が「足もあり、なんといっても身体能力が高い」と評価した通り、1年秋からレギュラーをつかむと、今では「1番・遊撃」が定位置に。今春の沖縄県大会では初優勝にも大きく貢献した。

 プロを目指す上でどうしても越えたい壁もある。「夏は絶対に打ちたい。打てないと甲子園は行けない」と語ったのが、今春の選抜に出場した沖縄尚学のプロ注目右腕・東恩納蒼(3年)。今春の県大会に沖縄尚学は出場しておらず、大会後に行ったチャレンジマッチでは勝利したが「東恩納は投げなかったので東恩納が投げる沖尚に勝ちたい」と、一層言葉に力を込めた。

 守備は安定感がある一方、打撃はまだまだ粗削りで「もっと出塁率を上げないと」。13日に行った花巻東(岩手)との招待試合では、低めの変化球を振らされる場面も目立ち「強い相手のピッチャーにどこまで通用するか試したかったがまだまだ」と課題を痛感。「ボール球をもっと見極められるようにならないと」とさらなる成長を誓った。

 ワォーターズにとって高校最後の夏ももう目の前。「ウェルネスなら成長できると思ってここを選んだ。夏こそ甲子園に行きたい」と、まずは6月17日開幕予定の沖縄大会へ視線を向けた。 (村井 樹)

 ≪1年生で県トップ俊足≫ワォーターズの俊足は、1年時から沖縄県内の注目を集めていた。県高野連が毎年行う全部員を対象とした野球部対抗競技大会。ワォーターズは450人が参加した100メートル走に出場すると、各校の先輩部員もいる中で11秒3で優勝。1年生にして沖縄球児トップの俊足選手となり「先輩もいる中での一番だったのでうれしかった」と笑顔で当時を振り返った。今でも足は一番の武器で「足を生かせる、走攻守そろった選手になりたい」と力を込めた。

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