中畑清氏 交流戦は巨人の世代交代 絶好チャンス

[ 2023年5月30日 05:00 ]

中畑清氏
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 【キヨシスタイル】30日から始まるセ・パ交流戦。巨人は新しいチームに生まれ変わる起爆剤にしてもらいたいな。

 野手では20歳の秋広に22歳の門脇、萩尾、21歳の菊田…。投手は23歳のエース・戸郷に山崎伊、22歳の横川、松井…。将来チームの屋台骨になりうる若手が次から次へと出てきている。

 開幕ローテーションに新外国人投手を3人入れた今季。残ったのはグリフィン1人で、これからは若手中心のローテーションが期待できる。

 最初に対戦するのはロッテ。28日のソフトバンク戦に投げた佐々木朗と対戦することはないけど、パ・リーグにはパワーピッチャーがたくさんいる。3番の秋広ら若手の野手がどう立ち向かうか。投手も投手同士の戦いの中でしのぎを削ってほしいな。

 秋広が初めてスタメン出場した4月22日のヤクルト戦から生まれたいい流れ。最大6の借金を完済し、貯金2まで持っていった。

 ところが、26日からの阪神3連戦に3連敗。負の流れを招いたのは初戦、1―0で迎えた6回1死一塁で秋広に命じた送りバントだったように思う。今一番勢いがあるバッター。選球眼がよく、一発もある。相手が嫌がってる3番バッターに1死から送りバントはないよ。これが失敗に終わり、6回まで3安打無失点と好投を続けていた横川に代えて7回から鈴木康を投入。この継投策が裏目に出て逆転負けを食らった。

 グリフィン先発の27日は0―0の7回に3失点。28日は松井が5回5安打1失点と好投しながら1―1の7回にこれまた3失点。3試合連続「魔の7回」に泣いた。全ては逃げの采配が呼んだ流れにのみ込まれた結果だ。

 これで再び借金1になったけど、舞台が交流戦に移ってリセットできる。ここを世代交代の絶好のチャンスと捉えてさ。原監督には我慢の采配をしてもらいたいな。

 先発投手には、もう1イニング。限界まで挑戦させ、自分の手で勝利をつかみ取らせる。野手には、失敗してもすぐ外すんじゃなくて選手の能力を信じてチャンスを与え続ける。若手と心中する覚悟でさ。ニュー・ジャイアンツの夜明けが見たいよ。(本紙評論家・中畑 清)

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