清原が甲子園に帰ってきた――父・和博氏Vから38年 18日開幕センバツで慶応の次男・勝児が新伝説

[ 2023年3月18日 04:45 ]

開会式のリハーサル(撮影・成瀬 徹)
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 第95回選抜高校野球大会(甲子園、14日間)が18日、開幕する。17日は甲子園で開会式のリハーサルが行われた。コロナ下の制約が緩和され、19年夏以来4年ぶりに全選手が参加する入場行進。西武、巨人などで活躍した清原和博氏(55)の次男で慶応(神奈川)の勝児内野手(2年)も、初めての聖地の土を踏みしめた。父がPL学園(大阪)3年時に日本一に輝いた85年夏から38年。清原父子の新たな甲子園物語が始まる。

 父がPL学園(大阪)時代、サヨナラ勝ちで歓喜の日本一を成し遂げた85年夏から1万3722日。聖地に「清原」が帰ってきた。開会式リハーサルでチームメートとともに甲子園の空気を感じた清原は「とても広かった。ここで野球ができることに感謝して全力でプレーしたい」と、気持ちを高ぶらせた。

 午前10時、入場行進のリハーサルがスタート。慶応は出場校の12番目に登場した。清原は天然芝や土の感触を確かめながら、右翼方向から歩を進めた。勝負の時を見据えるように、終始りりしい表情で球場内を一周した。

 今春はまさに覚醒の予感を漂わせている。4日の練習試合解禁以降、7試合に出場し3本塁打。昨年までは高校通算8本塁打だったが、一冬越えて一段と鋭くなったスイングで本塁打を連発。23打数8安打で打率・348、長打率・826(本塁打3本、二塁打2本)と打線の中でもひときわ存在感を放っている。森林貴彦監督も「秋よりも変化球への対応が良くなっている」と評価する。

 昨秋は6、7番だった打順も、オフの成長と父譲りの勝負強さが評価され、今年は全て5番で出場。清原は「結果が出てきて評価してもらえている。これからも打っていければ」と、自信をのぞかせる。今大会で清原が本塁打を放てば父子での聖地弾は史上3例目。以前は「そこはあまり意識はしない」と語っていたが、期待は高まる一方だ。

 父が宇部商(山口)との決勝で2本塁打し、サヨナラ勝利でPL学園を頂点に導いたのは85年8月21日。右手のバットを高々と掲げる歓喜の輪は、ファンの心に今も焼き付いている。その2発で甲子園歴代最多の13本塁打とした同じ右打席には3日後の21日、仙台育英(宮城)との第3試合で立つ。「お父さんは凄い活躍をしているが自分は自分。応援にのまれないよう自分のバッティングで盛り上げたい」。満員の観衆から、全身で清原コールを浴びるイメージはできている。(村井 樹)

 ◇清原 勝児(きよはら・かつじ)2005年(平17)5月1日生まれ、東京都出身の17歳。5歳から野球を始め、小学校時代はオール麻布でプレー。小6の時にNPB12球団ジュニアトーナメントに巨人ジュニアの一員として出場。中学時代は世田谷西リトルシニアに所属した。高校通算11本塁打。50メートル走6秒5、遠投90メートル。1メートル75、80キロ。右投げ右打ち。

 ▽清原和博の甲子園 春夏5度出場した甲子園では全26試合で4番を務め、91打数40安打、打率.440、29打点。5大会全てで本塁打をマークし、通算13本塁打は歴代1位となっている。2年夏の享栄(愛知)との1回戦では1試合最多の3本塁打を記録。また3年夏は3戦連続本塁打など計5本塁打し、宇部商(山口)との決勝で2本塁打した際、6回のバックスクリーンへの同点ソロでは実況アナウンサーが「甲子園は清原のためにあるのか!」と叫び、名言として語り継がれている。

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