口に出せば笑われる夢かもしれないが…日本ハム・新庄監督が教えてくれたこと

[ 2022年11月21日 07:45 ]

握手を交わす日本ハム・新庄監督とHARTY(左)
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 日本ハムの新庄監督がバリ島生活時代に出会い、「弟子」と呼ぶ歌手のHARTYが、1つの夢をかなえようとしている。

 自身初の全国ツアーファイナルが12月3日、大阪・りんくうオチアリーナで開催される。3月に広島からスタートし、福岡、北海道、埼玉を経て迎える最終公演。HARTYは「不可能を可能にすることをボスに教わった。思い切り、魂を込めて楽しみたい」と意気込んだ。

 新庄監督の公認応援歌「%1(イチパーセント)」に続き、今年3月25日には「BIG4 BIGBOSS」をリリース。指揮官が出演するCMのイメージソングに起用されるなど大ヒットするも、全国ツアーは無謀な挑戦だった。同世代のアーティスト、音楽関係者からの批判も耳にしたが、やり遂げたい理由があった。

 監督就任する直前の2021年夏。東京で初の単独ライブを開催した際、新庄監督は盛り上げようと応援に駆けつけてくれた。場所は関係者入口もない小さなライブハウス。一般のお客さんと一緒に入場し、HARTYは「入り口はもう、ワチャワチャで。警備員さんも吹き飛ばされていました」と苦笑いで振り返る。

 新庄監督は5人程度しか入れない控室で出番を待ち、ライブ後に2人でステージに立ってトークライブを実施した。自らのために動いてくれた指揮官に、HARTYは「周りに凄い人はたくさんいるが、僕はまだまだ。ボスの歌を歌わせてもらっているのに、僕が大きくならないとボスに失礼だ」と小さなライブハウスで胸に誓った。

 夢は「新庄監督を武道館のライブに招待する」こと。その一歩として全国ツアーを実施。会場確保、チケットの販売など自分の足で走り回り、ここまで全公演で満員御礼に成功してきた。「ボスに教わったのは“バカでかい夢を持ち、そこに向かう課程を楽しみなさい”ということ」

 口に出せば笑われる夢かもしれない。ただ、かなえてきた人たちは誰に笑われようと夢を諦めなかった人たちだ。新庄監督は、それを教えてくれた。(記者コラム・清藤 駿太)

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2022年11月21日のニュース