ソフトバンク・石川 渡米トレでフォーク改良だ 千賀に勧められ「新たな場所で違った刺激求めていきたい」

[ 2022年11月21日 05:00 ]

<ソフトバンク秋季練習>キャッチボールを行う石川(撮影・中村 達也)

 海を渡って新たな決め球を磨く。ソフトバンク・石川柊太投手(30)が20日、ペイペイドームで調整。節目の10年目を迎える来年1月に、米シアトルの「ドライブライン・ベースボール」で自主トレを行うことを明かした。これまで自主トレをともにした千賀滉大投手(29)から勧められ、決断。完全復活を目指す来季に向け、フォークの改良に励む。

 このままくすぶっているわけにはいかない。来季は節目の10年目。石川が完全復活を懸けて、海を渡る。

 「今までいろいろ試したけど、新たな発見があるように、新たな場所で違った刺激を求めていきたい。立ち止まっていられなし、既に焦っている。(開幕までの)一日一日を逆算していきたい」。

 18年末に渡米し、ダルビッシュ(現パドレス)らと汗を流したことはあるが、本格的な海外トレーニングは初。きっかけはメジャー挑戦を表明し、米国で契約交渉を進めている千賀からの勧めだった。

 20年に11勝3敗で最多勝と最高勝率の投手2冠を達成も、開幕投手を務めた昨季は6勝9敗。巻き返しを狙った今季も7勝10敗、防御率3・37と不本意な成績に終わった石川。来季へ向け思案していたところへ、シアトルにある「ドライブライン・ベースボール」を視察した千賀から連絡が届いた。「お金はかかるものの、やろうかな」と決断。自己投資は惜しまない。

 動作解析を用いた独自のトレーニング法で多くのメジャーリーガーの信頼を得ている同施設で、石川が特に力を入れたいと考えているのはフォークの改良だ。「試したいイメージもあるし、勉強していきたい。フォークが良くなれば投球の幅も変わる」と理由を語った。今季、2ストライクからのフォーク率は22・1%で、いまだ70%以上が他球種に頼っている状態。決め球とは言い切れない。球種が決して多くない右腕にとって、課題は明確だ。

 侍ジャパンにも選出され、5日の日本ハムとの強化試合で先発。フォークを武器とする巨人・戸郷にアドバイスを求め「低めに叩きつけるんじゃなくて、真ん中に叩くイメージと聞いた」と新たな感覚を学んだ。

 魔球と称されるパワーカーブがあるだけに、第2の決め球が備われば3年ぶりの2桁勝利と完全復活は自然と見えてくる。(福井 亮太)

 ▽ドライブライン・ベースボール 米シアトル発祥のトレーニング施設。08年にカイル・ボディ氏が立ち上げた。トレーナーや医師、動作分析の専門家など、さまざまな分野のプロが常駐。科学的で個々の特徴に合った指導が受けられると評判を呼び、サイ・ヤング賞3度のドジャース左腕カーショーや、エンゼルスの大谷ら多くのメジャーリーガーが汗を流す。DeNA・今永、日本ハム・金子ら日本球界の選手も自主トレで訪れている。近年は国外にスタッフを派遣もしており、19年には沖縄で阪神・藤浪が動作解析を行い、講習を受講した。ソフトバンクも19年宮崎秋季キャンプにスタッフを招き、動作解析を行った。

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2022年11月21日のニュース