高校野球に西高東低の波 関東の復権が待ち遠しい

[ 2022年11月21日 07:30 ]

<明治神宮大会高校の部  山梨学院・英明>英明に敗れ引き揚げる山梨学院ナイン(撮影・郡司 修)
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 2、0、1、0。近2年の高校野球・春夏の甲子園大会で8強に残った、ある地方の学校数である。

 その地方とは、関東。国内最多の人口を抱える首都・東京都を含む、日本最大の経済圏でもある。それが前述の数字では、あまりにもさみしい。夏に至っては、2年連続で1校も8強に残らなかった。18日から行われている明治神宮野球大会でも、東京、関東の代表(東海大菅生、山梨学院)はあっさり初戦で敗退。一方、“西の横綱”大阪桐蔭は昨年の高校3冠を獲得。西高東低の流れには歯止めがかからない。

 なぜ、このような事態になるのか。一つは強豪校の監督交代の過渡期ということが挙げられる。近2年だけを見ても、帝京・前田三男、東海大相模・門馬敬治、浦和学院・森士、聖望学園・岡本幹成の各氏といった名監督が次々と勇退・退任。スパンを10年強に広げてみると、横浜・渡辺元智監督、常総学院・木内幸男監督(故人)という名将がピリオドを打っている。これだけの大監督の後を継ぐのは、並大抵のことではない。彼らとて、名門を築き上げるために長い年月を要したことを考えれば、無理もないことかもしれない。

 もう一つは、各地区の高校のスカウティングの範囲が関東地方にまで及んできたことだ。例えば昨年、大阪桐蔭の主に5番を打ちU18にも選出された海老根優大は千葉県出身。大阪桐蔭で関東出身は非常に珍しかった。開催中の明治神宮野球大会に出場している仙台育英の斉藤、湯浅も東京出身。以前よりも関東から地方に出て行くケースが増えてきた。

 地方の学校の躍進もワクワクするが、関東の高校が強いともっと面白くなる。反転攻勢をかける関東の意地に、来年以降注目している。(記者コラム・北野 将市)

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2022年11月21日のニュース