阪神・矢野監督「チーム優先は当たり前」 青柳タイトルに忖度なし CS進出へ投手陣の総動員明言

[ 2022年9月27日 05:15 ]

<阪神全体練習> 天を見上げる矢野監督(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 阪神は27日から敵地でのヤクルト2連戦を迎える。クライマックスシリーズ(CS)進出には残り3試合の全勝が欠かせない。矢野燿大監督(53)は自慢の投手陣の総動員を明言し、最多勝などのタイトルがかかる今日先発の青柳晃洋投手(28)でも、内容次第では早期降板も辞さない構えを示した。今季限りで退任する指揮官が心を鬼にし、勝利だけを求める。

 「勝負の鬼」になる。就任以来、野球に取り組む姿勢やチャレンジ精神を重視し、選手育成にも力を注いできた矢野監督。ただ、レギュラーシーズンで指揮を執るのも残り3試合となった。それも、CS進出には全勝が不可欠な状況で迎えた今、勝つことだけを考えてタクトを振る。

 「最後に3つ勝つというのが、ある意味(進出)条件になると思う。その思いはみんな持ってくれている。まず、明日(27日)」

 最終局面で前面に押し出すのは、やはり投手力だ。チーム防御率2・70はリーグで唯一の2点台のダントツの数字。3連勝のポイントには「まずは投手が頑張ってもらわないと。中継ぎもどんどんいくことになると思う」と断言した。27日先発はエースの青柳。12勝で並ぶ巨人・戸郷と最多勝争い中で、あと1勝すれば勝率1位のタイトル(13勝以上が条件)も付いてくるが、“忖度(そんたく)”は一切しない。

 「そりゃ、そうでしょ。そんなことはヤギ(青柳)も分かっている。結果的にもちろん最多勝を獲らせてやりたいけど。チーム優先というのも、ここまで来て当たり前。そういうのは関係なく“勝てる”ことを選択してやっていきたい」

 岩貞、浜地、湯浅、ケラー、岩崎らハイレベルなリリーフ陣に加え、後半戦は先発で快投を見せてきた藤浪もブルペン待機。たとえ青柳でも、立ち上がりに少しでも不安があればスパッと代えられる態勢は整えている。リリーフに目を向ければ、リーグトップタイの42ホールドポイントを挙げ、最優秀中継ぎ投手が狙える湯浅でも、1、2点のビハインドなら迷わず投入する。才木もスタンバイするなど、なりふり構わず強力投手陣をフル回転させ、全力で目の前の1勝をもぎ取る構えだ。

 3位・巨人が中日に連敗し、0・5差内で広島を含めた3チームがしのぎを削る大混戦。「(中日が)面白くしてくれた。ウチの方が試合消化は早い。最終戦(10月2日)は(巨人、広島と)一緒だけど、明日、あさって(27、28日)は早いわけだから、勝ちゃあいいんじゃない」。4年間で浸透させた矢野野球。最後まで諦めず勝利を追い求める姿勢も、ナインに叩き込まれている。 (山添 晴治)

続きを表示

2022年9月27日のニュース