大きく方針転換も…楽天の10・20ドラフト 未来に目を向けつつ“即効性”重視

[ 2022年9月27日 08:00 ]

楽天・石井一久監督
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 今年のプロ野球のドラフト会議は、10月20日に開催される。各球団がどんな選手を指名するのか。ワクワクしながら予想しているファンも多いだろう。記者が担当する楽天も、石井一久GM兼監督を中心にリストアップした指名候補選手の絞り込みを続けている。

 最大の補強ポイントは、やはり先発タイプの即戦力投手だ。現在、ローテーションを支えている岸孝之(37=8勝9敗、防御率3・32)、涌井秀章(36=4勝2敗、防御率3・24)、田中将大(33=9勝11敗、防御率3・25)、則本昂大(31=9勝8敗、防御率3・72)、辛島航(31=6勝4敗、防御率3・40)はいずれも30代。20代の早川隆久(24=5勝9敗、防御率3・86)、滝中瞭太(27=2勝9敗、防御率4・21)、藤平尚真(24)=1勝0敗、防御率3・97)への期待も大きいが、将来のエース候補である即戦力を獲得することは急務となっている。

 岸、涌井、田中将、則本はいずれも通算100勝以上を挙げるなど輝かしい実績がある。一方で石井監督が「実績があるということは、年齢を重ねているということ」と繰り返してきたように、3年後、5年後に対する危機感も抱きながらチーム編成のビジョンを描こうとしている。

 高卒野手の吉野創士(昌平)を単独1位で“サプライズ指名”した1年前は、目先の戦力アップよりもチームの将来性を見越した戦略に沿って計10人(育成3人も含む)を指名した。今年は方針を大きく転換しそうだ。未来に目を向けつつ、左右を問わず“即効性”が期待できる投手の指名に重点を置くとみられる。

 社会人では東芝の153キロ右腕・吉村貢司郎や東京ガス・益田武尚、大学生では「二刀流」で注目を集める日体大・矢沢宏太や富士大・金村尚真らが1位候補に名を連ねており、他球団の動向を見極めながら直前まで1位で指名する「金の卵」を絞り込む。チームづくりの根幹となる会議まであと24日。全国の指名候補選手たちは、胸騒ぎを抑えながら運命の日を待っている。(記者コラム・重光 晋太郎) 

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2022年9月27日のニュース