日本ハム・大海 プロ初セーブ!来季に向けた抑えテストで完璧投球 1回ピシャリ2K!!

[ 2022年9月27日 06:00 ]

パ・リーグ   日本ハム3―2楽天 ( 2022年9月26日    札幌D )

<日・楽>9回、最後を締め宇佐見(右)とタッチを交わす伊藤(撮影・高橋茂夫)
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 日本ハムの伊藤大海投手(25)が26日の楽天戦で2番手として9回から登板。2三振を奪って3者凡退に抑え、プロ初セーブをマークした。来季もチームの指揮を執る意思を固めた新庄剛志監督(50)が、守護神不在のチーム状況から来季に向けた抑えテストを行い、伊藤が「一発快投」した。

 8回2失点と好投した加藤の思いを背負い、向かった9回のマウンド。伊藤の名前がコールされると、1万6923人のファンからどよめきが起きた。異様な雰囲気に、伊藤の右手からはいつも以上に汗が噴き出した。「追いロジン」が代名詞となった右腕の右手はいつも以上に増して噴煙が舞った。

 「命を懸けてみんなでつないでいく中の最後なので、物凄く緊張した。全部ぶつけるつもりで、とにかく強く腕を振ることだけを考えた。最後を締めるというのは、いろんな人の生活が懸かった大事な1イニングだと思った」

 雄叫びを上げ、魂を込めて全力で投げ込んだ16球。「本当に打たれる気がしなかった」というほどゾーンに入り、相手打者を支配した。辰己はこの日最速の151キロ直球で見逃し三振。鈴木大はスプリットで遊飛に仕留めると、最後は茂木を151キロ直球で空振り三振に仕留めた。役割は変わっても、チーム最多10勝右腕の安定感は不変だった。

 今季は実績のある宮西や昨季最優秀中継ぎ投手を獲得した堀、右肘手術から復帰明けの石川直らが不調で勝利の方程式を固定できず。それが最下位に低迷する一因ともなった。本人の先発希望を受け、新庄監督は一度は抑えテストを白紙としていたが方針転換。この日の力投を「力あるでしょ?先発の迫力とは全然違うと思うけど、真っすぐで空振りが取れる」と称えた。

 伊藤は侍ジャパンの一員として臨んだ昨夏東京五輪で救援登板した経験はあるが、24日の西武戦から救援待機するも過去2試合は出番なし。救援陣が毎試合準備する光景を目の当たりにし「あの緊張感の中で一日一日、しかも長い間球場にいて準備するのは凄い大変なこと。凄くいい勉強になりました」と収穫を強調した。指揮官は来季の起用法については「来年の先発の感じによって」と流動的としたが、あす28日の札幌ドーム最終戦については「(28日先発の)上沢君―伊藤君で終わっても絵になる」と夢プランを口にした。

 新庄監督が指揮を執る来季。先発でも抑えでも適応できる潜在能力の高さを示したプロ初セーブだった。(東尾 洋樹)

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2022年9月27日のニュース