仙台育英凱旋!仙台駅熱狂「おめでとう!」「ありがとう!」深紅の大優勝旗初の白河の関越えに興奮

[ 2022年8月24日 04:00 ]

仙台育英の選手たちを一目見ようと仙台駅にたくさんの人が集まる(撮影・篠原岳夫)
Photo By スポニチ

 第104回全国高校野球選手権大会で優勝し、東北勢として春夏通じて初の全国制覇を果たした仙台育英(宮城)の選手らが23日、仙台市に凱旋した。新幹線に揺られて、深紅の大優勝旗が初めて白河の関を越えた。JR仙台駅では選手たちを祝福しようと、1000人以上の市民らが駆けつけ、駅構内で花道をつくって出迎え。仙台の街が空前のフィーバーに沸いた。 

 午後2時52分、輝く優勝盾を抱えた佐藤悠斗主将(3年)を先頭に仙台駅に降り立った。ナインを祝福する「甲子園優勝、誠におめでとうございます」のアナウンス。1000人以上の人々から送られた拍手と「おめでとう!」「ありがとう!」の声にかき消された。

 「野球が好きな人にとってだけの白河の関越え、東北勢初優勝じゃないんだなと思いました」と須江航監督。幼児を抱く母親、日焼けした小学生、目を凝らす高齢者まで幅広い年代の人々が共に喜んだ。JR東日本の職員が「近年まれに見る人の数だった…」と漏らした人の山。宮城県警は約80人の警察官を配置。選手と人々の間にはロープが張られたが、一目見ようとする人の波が押し寄せた。

 深紅の大優勝旗が「白河の関越え」する瞬間は静かに訪れた。午後2時17分54秒。新幹線の「こまち25号」がトンネルを抜けたタイミングで福島県白河市にある「白河関跡」の西側を北上して通過。14号車に乗車した選手たちはスマートフォンの位置情報で確認し、佐藤主将らは優勝旗を広げて記念撮影。車内アナウンスなどの演出はなかったが、「新幹線で駆け抜けていく感じ。ここからが東北なんだなと感じた。大会歌に『栄冠は君に輝く』がありますが、君っていうのは全ての東北の人だなと。全ての人に栄冠が輝いたと思います」と指揮官。伊丹空港から仙台空港まで空路なら1時間15分だが、陸路で4時間を超す帰路に。「学校の判断で僕が選んだわけではないが、陸路がいいなあと思っていました」とかみしめていた。

 04年夏に北海道勢として初の全国制覇で「津軽海峡越え」を成し遂げた駒大苫小牧は、05年夏も連覇した。9月3日から来春の選抜出場を懸けた秋季宮城県大会がスタートする。須江監督は「もう日本一は過去のこと。“この大優勝旗を必ず全員で返しにいって、もう一度つかむんだ”という思いが大きくなっています」と新たな戦いを見据えた。今夏はベンチ入り18人中、8人を2年生が占めた。新チームの練習は選手の体調を考慮し、早ければ24日午後にも始まる。2度目、3度目の白河の関越えへ立ち止まることはない。(柳内 遼平)

続きを表示

2022年8月24日のニュース