【甲子園大会総評】福島敦彦氏 東北勢躍進の裏に大谷、朗希が! 東北の野球少年の高い目標に

[ 2022年8月24日 04:00 ]

<仙台育英優勝報告会>学校に到着した仙台育英ナイン (撮影・光山 貴大)
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 野球伝来150年の節目の年に、仙台育英が東北勢の悲願だった初優勝を遂げた。140キロ強を誇る高いレベルの5投手を擁し全5試合を継投。準優勝した下関国際は力のある左右2投手、4強入りした近江はエース山田君が、いずれも力尽きた。1週間で500球の球数制限を考えても、新たな戦い方を示すものだった。

 仙台育英を筆頭に、ひときわ目立ったのが出場6校中5校が初戦突破した東北勢の躍進だ。聖光学院は歴代の優勝校を連破し4強入り。一関学院は初戦で昨夏4強の京都国際を延長の末に破るなど強さを示した。二刀流で活躍するエンゼルスの大谷選手、完全試合を達成したロッテの佐々木朗投手ら、大リーグやプロ野球で戦う選手を続々と輩出。東北の野球少年は高い目標を実感し、組織的な取り組みが育成を後押しした印象を受ける。

 横浜・玉城主将の「苦しい時期を乗り越えることができたのは、ここに甲子園があったからです」の選手宣誓にあるように、今の3年生は入学時からコロナ下で数多くの制限を受けてきた。今夏は3年ぶりに入場制限が解除され56万6500人が来場しブラスバンドも本格的に復活。聖地が本来の熱気を取り戻しつつある中で出場辞退校もなく、最後にプレーできたことは何よりだった。来年以降もさらなる高校野球ファンでスタンドが埋まることを、切に願う。

 すでに新チームの活動は始まっている。コロナ対策などは続くが、健康管理に留意し選手諸君がはつらつとプレーすることを、また楽しみにしている。 (報徳学園、慶大、中山製鋼元監督)

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2022年8月24日のニュース