ソフトB・野村勇 鶴岡親分に並ぶ83年ぶり球団新人最多10号「頑張って抜かしたい」

[ 2022年8月22日 04:45 ]

パ・リーグ   ソフトバンク5―1日本ハム ( 2022年8月21日    ペイペイD )

<ソ・日>ヒーローの野村勇(左)と和田は笑顔でポーズ(撮影・岡田 丈靖)         
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 ソフトバンクの野村勇内野手(25)が21日、日本ハム戦で2本塁打を放った。2桁の今季10号に到達。1939年に鶴岡一人が打った球団新人本塁打記録に並んだ。3回に右越え9号2ランを放ち、8回に左越えの10号ソロを叩き込んだ。チームは計4発で5点を奪って快勝。カード全勝で3連勝を飾り、日本ハム戦の対戦成績を五分に戻した。首位の西武も勝ち、0・5ゲーム差のまま23日から勝負の7連戦を迎える。

 右に、左に、今季2度目の1試合2発。妻子持ちのドラフト4位ルーキー、野村勇が83年ぶりに鶴岡一人の球団新人本塁打記録に並んだ。

 「僕なんかが、光栄です。8本いった頃から10(本)はいきたいと思っていた。ホッとしています。(鶴岡一人さんは)知らないです。あと1本で(追い)越せる。頑張って抜かしたい」

 7月22日のオリックス戦以来のアーチ。以降の出場15試合は不発だった。三森、周東、牧原大がコロナ禍で離脱し「2番・二塁」で14日のオリックス戦以来のスタメン。「最近悪かったので修正した。引き付けるイメージでいきました」。1―0の3回1死一塁で、左腕・加藤の初球シュートを右翼テラスに9号2ラン。4―1の8回1死では2番手右腕・井口のスライダーを左翼テラスに10号ソロとした。

 初回の第1打席からタイミングは合っていた。初球の99キロのカーブを左翼ポール際にファウル。2球目のスライダーを二塁打し、いいイメージができた。

 元々、内に入ってくる球をスタンドに運ぶツボはあったが、王貞治球団会長の助言でさらにパンチ力がついた。今春キャンプで「体の中で打てていない。手は体の外に入らないように」と、テークバックの大きさを初めて指摘された。「気付かないポイントを教えていただいた」。さっそく修正し、4月21日のオリックス戦でのプロ1号から始まった2桁本塁打到達につながった。

 藤本監督も野村勇のパワーに最敬礼した。「パンチ力はあって、打てる、打てんのムラがあるが、今日は野村勇さまさまですね。速い(外に)逃げていく球を克服すれば間違いなく20、30本は打てるレギュラー」。攻撃はこの日、本塁打で全5得点を挙げた。守りでは今季27被弾している日本ハム戦で、今季初のカード無被弾。3連勝で今季対戦成績も10勝10敗1分けの五分にした。

 23日からは楽天戦。打ち合いは望むところだ。(井上 満夫)

 ▽鶴岡一人 広島商から法大を経て、1939年に創設2年目の南海軍(現ソフトバンク)に入団。1年目に本塁打王に輝くも、40年に徴兵。復員した46年にグレートリング(南海の前身)の選手兼監督に就任した。68年に退くまでの23年間で史上最多の1773勝(リーグ優勝11度、日本一2度)。65年に野球殿堂入り。激情家かつ人情家と知られ、選手からは「親分」と慕われた。77年に監督を解任された野村克也氏との確執は有名。00年3月7日、動脈血栓症による心不全のため83歳で死去。

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