【甲子園決勝展望】元DeNAスカウト部長・吉田孝司氏 両校とも同タイプ 序盤で流れつかめるかが鍵

[ 2022年8月22日 04:00 ]

第104回全国高校野球選手権第14日・決勝   仙台育英―下関国際 ( 2022年8月22日    甲子園 )

元DeNAスカウト部長・吉田孝司氏
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 【元DeNAスカウト部長・吉田孝司氏が決勝のポイント分析】元DeNAスカウト部長の吉田孝司氏(76)が、決勝戦のポイントを分析。初優勝を懸けた対決は「同タイプ」のチームのぶつかり合いになるとした。

 本当に両校とも特徴が似ているチーム。どちらも飛び抜けた選手はいないが、一丸でまとまって戦っている。これぞ「高校生のチーム」という感じ。高校野球はどの学校もこういう野球を求めて練習してきているのではないか。

 下関国際は各打者がバットを短く持ってボールを呼び込み、コースに逆らわないスイングをしている。ずっとスカウトとして見てきて、下関国際は一人の中心の投手がいて大味なチームの印象だったが、ガラッと変わった。バントあり、スクイズあり、エンドランありと機動力も使ってバラエティーに富んだ攻撃をしている。投手も救援の仲井は真っすぐで押しているし、何よりポーカーフェースがいい。顔色を変えることなく、投手らしい気構え。堂々と投げている。

 仙台育英の5投手は皆、本当にいい球を投げている。疲れもあまりないだろうし、楽しみだね。甲子園で優勝しようと思えば投手は2、3枚は欲しいところ。それで言えば、この5人をうまく育てたと思う。投手力でいけば仙台育英が有利かもしれない。打撃陣もコンパクトにシャープに打っていて、これぞ高校野球という打者が並んでいる。甲子園という大きい試合でだんだん力を付けていると思うし、高校生はこういう場でうまくなる。ただ、打撃は両校の力は五分五分だと思う。

 仙台育英は投手の継投、下関国際は仲井の出来が鍵になる。あとは、どちらが先制点を取れるか。どちらもエラーをしそうでもないし、乱れる投手もいない。序盤で流れをつかむことが大事になる。

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