【甲子園】下関国際、胸張れ準V 涙の山下主将 坂原監督が明かす、入部直後異例の「主将指名」した理由

[ 2022年8月22日 17:05 ]

第104回全国高校野球選手権第14日 決勝   下関国際1-8仙台育英 ( 2022年8月22日    甲子園 )

<仙台育英・下関国際>準優勝となり、肩を落とす下関国際・山下(3番)に声をかける坂原監督(撮影・坂田 高浩)
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 第104回全国高校野球選手権は22日、甲子園球場で決勝が行われ、春夏通じて初の決勝進出となった下関国際(山口)が仙台育英(宮城)に1-8で敗れ、初優勝はならなかった。

 坂原秀尚監督は試合後、泣き崩れる主将の山下世虎(せとら=3年)の背中をさすって励ました。また、ナイン一人一人に声をかけ、ここまでの戦いをねぎらった。

 山下は和歌山県出身。中学時代に坂原監督の目に留まった。山下が出場する大会を見に行った指揮官は「この子、うちのキャプテンをやらないかな」と思ったという。中学時代も主将だった山下。醸し出す姿勢が気に入った。「凄い独りでなんか戦っている感じだった。うちでやってくれないかなと。うちで主将をやらせようと勧誘しました」。中学では生徒会長も務める秀才だっただけに指揮官は「来てくれるかな」という不安もあったというが、18年の夏8強を見て山下が決断してくれたという。

 入部してすぐに主将に指名された。異例の早さに山下は「戸惑いがあった」。それでも「勝つために自分を選んでいただいたので、そこは先輩後輩関係なく、言わないといけないことは意識しました」という。1年秋の中国大会後に坂原監督から「俯瞰(ふかん)的に見させてやりたったので」と主将の座を賀谷勇斗に譲った。2年の秋に主将復帰。「勝たせて恩返しがしたい」と先頭に立って引っ張ってきた。

 試合後、山下主将は「監督を信じてやってきたからここまで来れた。感謝しています。自分を犠牲にしてもチームのため、人のためにやることが大事だと教わった」と感謝した。甲子園に来てから毎試合ごとにウイニングボールを山下主将が坂原監督に渡していた。決勝では渡せなかったが、指揮官は「ウイニングボールどころか、それよりもっと大切なものを彼らたちからもらっていましたので、十分です。(大切なものは)彼らたちと一緒に過ごした2年半です」とねぎらった。

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