巨人・菅野 沢村栄治ほうふつ魂の投球で2戦2勝 113球7回3失点 “弟子”の藤浪に投げ勝った

[ 2022年4月2日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人6―5阪神 ( 2022年4月1日    東京D )

<巨・神>力投する先発の菅野(撮影・河野 光希)
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 巨人のエースが、タイガース打線の前に仁王立ちする。86年の時を経ても、その構図は変わらない。菅野が113球を投じて7回3失点、9奪三振。復刻されたユニホームとともに、初代エースの魂も宿った。

 「いつもと違う雰囲気で、こういう特別な試合に投げられて幸せ。勝てて良かった」

 36年に行われた「洲崎の決戦」。2試合に先発するなど全3試合に登板し、チームを日本プロ野球初代王者へと導いたのが沢村栄治だった。チームのために3連投で奮闘した沢村のように、菅野は腕を振った。6回を終えて球数は99球だったが続投。「最近、中継ぎの投手がたくさん投げているので何とか1イニングでも多く。今日の展開だったら8回ぐらいまで投げないといけない」と反省を口にした。

 力で押し切った。初代監督・藤本定義の著書「投手教書」によると、沢村にコントロールの必要性を説いた際に「ぼくが真ん中にさえ投げていたら、誰もよう打たんですよ。だからコントロールは必要ない」と返されたとある。球界屈指の制球力を誇る菅野も、この日の序盤は大胆だった。初回先頭は対戦の通算打率・400と相性の悪い近本。「初回先頭打者を斬れば何とかチャンスがあると思って全力で行った」と1ボール2ストライクから3球連続で直球を高めに投げ込み、空振り三振を奪った。

 これで阪神戦はチーム歴代16位となる20勝目。「ライバル同士で、今後もそういう関係なら野球界も盛り上がると思う」と自覚も強く、1月にはライバルチームながら伸び悩む藤浪と合同自主トレを行った。この日は師弟対決でも完勝したが「彼(藤浪)もこんな結果で終わる男じゃない」と期待した。

 開幕から2戦2勝となったが「満足はしていない。次は0点で終われるように」と浮かれることはない。自身3度目の沢村賞、そして自身初の日本一へ、見据える場所は高い。(小野寺 大)

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2022年4月2日のニュース