坂本1号で4連勝!巨人首位タイ浮上 「洲崎の決戦」復刻ユニ…同じ右打者の主将・中島治康に重なる活躍

[ 2022年4月2日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人6―5阪神 ( 2022年4月1日    東京D )

<巨・神>初回、先制ソロを放ち、笑顔で生還する坂本(撮影・河野 光希)
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 巨人は1日、阪神を6―5で下して4連勝。初回に坂本勇人内野手(33)が先制の1号ソロを放つなど打線が主導権を握り、菅野智之投手(32)も7回3失点で2勝目を挙げた。「伝統の一戦」の始まりとされる「洲崎の決戦」が行われた1936年当時の復刻ユニホームを両軍が着用した今季初対戦に快勝して首位タイに浮上。通算対戦成績は巨人の1100勝844敗74分けとなった。

 伝統の一戦。現在のチームで、その重みを誰よりも知るのが坂本だろう。当時をほうふつさせるユニホームを着て打線を勢いづける。初回1死。藤浪の153キロ直球を左中間席へ運んだ。今季1号。先制弾はそのまま、今季初の決勝打となった。

 「今シーズン初の伝統の一戦でやはり独特の緊張感はありました。ポランコも(2者連続アーチで)続いてくれて、いい流れをつくってくれました」

 巨人―阪神の伝統の一戦の起源とされる1936年の初代プロ野球日本一を争った3連戦が「洲崎の決戦」。決戦となった洲崎球場は3年間しか使用されなかったため「幻の球場」とも呼ばれ、東京ドームから東に約10キロの距離にあった。この日は当時に着用していたデザインがモデルとなった復刻ユニホームを両軍が着用。シーズン直前に左脇腹を痛めたが、開幕3試合目の3月27日の中日戦から復帰した坂本は「凄い格好いい」と当時の衣装をパワーに変え、4回も犠飛を放つなどして勝利に貢献した。

 歴史ある巨人で36年に記念すべき球団1号を放ったのが中島治康。相手はタイガースだ。同年誕生の長嶋茂雄よりも前に背番号3をつけたレジェンド。第5代主将でプロ野球史上初の3冠王を獲得した右打者だ。この日までに通算2124安打を記録し、その系譜を受け継ぐ第19代主将は「歴史を感じながらプレーした」と特別な思いを胸にプレー。思い起こせば08年4月6日、プロ1号の満塁弾も、このカードだった。

 巨人軍初代監督だった藤本定義は選手たちから「土佐犬」と恐れられながら第1期黄金時代を築いた。球団史上最長の16年目の指揮を執る原監督とは「気がついた点はメモする」など共通点は多い。最大6点リードから最後は1点差とされたが、4連勝で首位タイに浮上。指揮官は「1つ勝つのは厳しいが、1点上回ったという価値ある勝利」と評した。

 伝統球団の看板を背負い続ける原監督は、今季開幕前に「あまり成長していないのかな。(1年目と)全く変わりない」と心境を明かしていた。先を見ることなく、一歩ずつ――。偉大な先人たちと同様、そんな姿勢で歴史を積み重ねている。(川島 毅洋)

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