広島・大瀬良 意地の12球団完投一番乗り 最下位に沈んだ93年と同じ開幕連勝は「6」で止まる

[ 2022年4月2日 05:30 ]

セ・リーグ   広島2-3中日 ( 2022年4月1日    バンテリンD )

<中・広(1)>8回、阿部に勝ち越し適時打を打たれ、ガックリの大瀬良(撮影・椎名 航)
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 広島は1日の中日戦で2―3と惜敗し、開幕からの連勝が「6」で止まった。先発した大瀬良大地投手(30)は、7回まで1失点と力投を見せるも、1点優勢の8回に決勝打を含む適時打2本を許して力尽きた。球団最長となる開幕7連勝とはならず、巨人に同率首位で並ばれた。

 連勝が大瀬良で止まったのなら仕方ない。大瀬良自身は「反省するところは反省し、しっかりと次回投げたい」と頭を下げたものの、佐々岡監督がナインの思いを代弁した。

 「大地は、よく投げた」

 7回を終えた時点で球数は100球を数えていた。ただし「8回の男」中崎は2連投中ということもあり、指揮官は続投を選択した。2―1の8回先頭の代打・山下を空振り三振としたあと、大島、岡林に連打を浴びて1死一、三塁。続く鵜飼をカウント1―2と追い込みながら、勝負にいった5球目の外角直球が高く浮いた。この失投を見逃してもらえず右前への同点適時打とされると、2死後に阿部に内角直球を中前に運ばれ、決勝の勝ち越し適時打を浴びた。

 「体力的なところは問題なく、決めにいくところが浮いて甘くなって。ああいう場面では見逃してくれない。低めに投げ切れることができませんでした」

 初回を投げ終えて、通算1000投球回に到達した節目の一戦でもあった。指揮官は、最後まで大瀬良をマウンドから降ろすことなく勝敗を託した。「移動試合だったし、今年は延長12回まである。あと、もう1回だけ頑張ってもらいたかったけどね…」。12球団一番乗りの完投が、せめてもの意地だった。

 開幕からの連勝は球団記録タイの「6」で止まった。この開幕ダッシュに浮かれてはいけないことは、歴史が教えてくれている。開幕6連勝した93年は最下位に沈んだ。当時は、あっという間に貯金を使い果たし、7月には借金生活に突入した。この年、先発だった佐々岡監督は5勝17敗と大きく負け越した。今回の連勝中に「93年のことは思い出したくない」と言及したように、当時の苦い記憶はいまも消えていない。

 その指揮官は、大瀬良の力投が次戦につながると見ている。「(大野雄との)我慢比べの中で大地も粘り強く投げてくれた。大地の踏ん張った姿は野手も見ているんでね。次、しっかりと打ってくれるでしょう」。明日につながる黒星になったのであれば、この勢いは消えない。(河合 洋介)

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2022年4月2日のニュース