太良が初戦突破 春4強の実力派を率いる永尾監督は元虎戦士「本当に良かった」

[ 2021年7月14日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権佐賀大会1回戦   太良6ー2鹿島 ( 2021年7月13日    みどりの森県営 )

<太良・鹿島>ベンチで指揮を執る太良・永尾監督
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 佐賀大会では、阪神などプロ3球団でプレーした永尾泰憲監督(71)が率いる太良は昨秋県ベスト8の鹿島に勝って初戦を突破した。

 18年の就任時は部員7人。現チームは23人まで増えた。鹿児島遠征で樟南、鹿児島実、神村学園と練習試合をしチーム力を高めるとともに、あいさつなど野球以外の部分でも強豪校から学んだ。昨夏の独自大会は1勝したが、就任1、2年目の夏は1点も取れずに初戦敗退。“甲子園を目指す夏”としては就任後初勝利で「本当に良かった」と指揮官は喜んだ。

 2―2の7回2死一、三塁では申告敬遠で満塁策をとり、遊ゴロに抑えて大ピンチを切り抜けた。「ピッチャーが粘って投げてくれた。申告敬遠は選手たちの判断」。成長した選手たちを頼もしそうに見つめた。

 1年から4番を打っていた北村爽空(りく・3年)主将を5月から1番に置いている。「少しでも点を多く取るため、1番打てる打者に打席が一番多く回ってくるように」の狙い通りに、北村の出塁が勝利を引き寄せた。2―2の先頭打者で9回、中前打で出塁し犠打と失策で三塁に進むと、4番・古庄竜馬(3年)の遊撃強襲の適時打で勝ち越しのホームを踏んだ。

 北村は、永尾監督の存在を知って太良高校に進学。「初戦を勝ててうれしい。監督は的確な指導をしてくれます。9回は塁に出て、後ろにつなぐことだけを考えていた。悔いの残らないように、一戦一戦、頑張りたい」。そして2失点完投した赤木星琉(ひかる・3年)は「仲間を信じて投げた。申告敬遠はキャッチャーの判断だけど、自分もその方がいいと思った。次戦も粘り強く投げたい」。捕手との呼吸もバッチリだ。

 春の県大会ではベスト4進出。91年春の県大会V以来、60季ぶりの4強入りの勢いを保ったまま、夏も躍進を続ける。(本間 正則)

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