赤星憲広氏 阪神・近本の「二ゴロ」は適時打に値する 追い込まれてから軽打に切り替えたのはさすが

[ 2021年7月10日 07:00 ]

セ・リーグ   阪神4-1巨人 ( 2021年7月9日    甲子園 )

スポーツニッポン評論家の赤星憲広氏
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 【赤星憲広 視点】近本のチーム打撃を評価したい。0―0の3回1死一、三塁で二ゴロを放って先制点を奪ったシーンだ。戸郷―大城の巨人バッテリーはフォークを4連投し、初球は見逃してボール。2球目は空振りで、3球目はファウル。ここまでは近本も目いっぱいのスイングでヒットを打って走者を還そうとしていたが、カウント1―2と追い込まれたことで、軽打に切り替えたのはさすがだった。低めをわざと引っかけるように一、二塁間へのゴロとし、なお2死二塁を残したから糸原の2点目タイムリーも生まれた。 二遊間はゲッツー態勢だったが、近本の足なら併殺打になる可能性は低い。適時打に相当する「二ゴロ」だった。

 その回は2つの相手失策からもらったチャンスで、この時点ではまだチームは無安打。戸郷も無死一、三塁から秋山を三振に仕留め近本も追い込んで、もしかしたら無失点で切り抜けられるかも…と計算し始めたところだっただけにショックは小さくはなかったはずだ。

 梅野の配球もすばらしかった。奪った5つの三振のうち、見逃しが4つ。6回先頭の坂本からカーブで奪った見逃し三振は、反応を見る限りまったく読みになかった球種だったようだ。低めに丁寧に投げさせていたが、高めも有効に使い、両サイド、緩急を駆使して巨人打線に的をしぼらせなかった。もちろん、そこにきっちりと制球できる秋山も見事だった。

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2021年7月10日のニュース