甲子園春夏12度目出場の名門・中京が初戦敗退 多治見工は樋口あっぱれ満弾 岐阜大会

[ 2021年7月10日 19:18 ]

全国高校野球選手権岐阜大会2回戦   中京8ー9多治見工 ( 2021年7月10日    長良川 )

<中京・多治見工>9回無死満塁からサヨナラ暴投してうなだれる中京のエース右腕・小田康一郎主将(3年)
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 春夏合わせて12度の甲子園出場を誇る春季岐阜大会の王者・中京が初戦で敗れる波乱があった。

 2019年夏の甲子園で1年生ながら5番・三塁手としてチーム初の4強に貢献した小田康一郎(3年)が強豪校のエース、4番、主将の大看板を背負って登場。自己最速を3キロ更新する148キロをマークするなど3連続を含む7三振を奪ってプロ注目右腕の実力の片りんは見せたが、4四球、2暴投と闘志が空回りして制球が定まらず、4回途中で降板。8―8の同点で迎えた9回裏無死満塁からチームの命運を背負って再びマウンドに上がったが、カウント0―2からのスライダーがワンバウンドする暴投となってサヨナラ負け。「チームの全員に申し訳ない。今までキャプテンとして、エースとして、4番としてチームを引っ張ってきましたけど、全てにおいて力不足でした。ホント不甲斐ないです」と悔し涙で目を真っ赤に泣きはらした。

 打者としても5打数1安打。7回には逆風の中、97・6メートルの右翼フェンス際まで運んだが、右翼手の好捕に遭って出塁はならず。得点に絡むことはできなかった。

 高校卒業後は進学を希望。1メートル73、80キロという体格も考慮に入れ、今後は高校通算34本塁打を誇る左のスラッガーとしてさらに上の世界を目指す。

 <岐阜・多治見工>春の王者に逆転サヨナラ勝ち。大金星の立役者は背番号11の右腕・樋口流唯(ひぐち・るい=3年)。8回2死二塁から3番手で登板し、140キロ前後の速球とスライダーで1回3分の1を1安打無失点。3―8で迎えた8回1死満塁の場面では内角高めの速球を叩いて練習試合も含む人生初の本塁打を左翼席へ。チームの敗勢を一撃で覆した。「(本塁打は)感覚がなかったです」。1日8合の白米で高校入学時から約20キロの体重増に成功。下半身が安定し、往復200メートルのダッシュの直後、息の上がった状態で繰り返す20回連続のティーバッティングでスイング速度も上がった。「この勢いで甲子園に行きます」と試合後も興奮冷めやらぬ様子だった。
 

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