これが侍の4番だ!広島・誠也 7月は8戦5発 因縁の星から一時逆転弾 攻守で切れ出てきた

[ 2021年7月10日 05:30 ]

セ・リーグ   広島3-4ヤクルト ( 2021年7月9日    神宮 )

<ヤ・広11>4回無死 先制の本塁打を放ちナインに出迎えられる鈴木誠(撮影・久冨木 修)
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 広島・鈴木誠也外野手(26)が9日のヤクルト戦で4月8日の同戦以来、今季2度目の1試合2発を放った。今季3度目の猛打賞で6月8日以来の打率3割台を回復するなど、東京五輪へ復調気配だ。8回の15号2ランで一時は逆転へ導きながら、栗林の3連投を回避して9回を任せたフランスアが崩れて今季2度目のサヨナラ負け。28年ぶりのヤクルト戦8連敗に沈んだ。

 鈴木誠の勝負勘が戻ってきた。4回先頭では高橋の初球の直球を完璧に捉え、バックスクリーン左に着弾させる先制ソロを放った。そして、1点を勝ち越された直後の8回2死一塁。カウント1―1からの星のフォークを拾うと、高く上がった打球は左翼最前列席で弾んだ。15号2ランで一時逆転に成功。今季2度目の1試合2本塁打を決めた。

 「たまたま甘い球を仕留められているだけだけど、それは今後も続けていけたらいい」

 8回のマウンドに立っていた星とは同学年。昨季11月10日同戦では、右翼線への適時二塁打を放って3打数3安打とし、シーズン打率3割を確定させた相手でもある。星とは通算10打数2安打との苦手意識も重なり、昨季の対戦をよく覚えていると言う。「(星との)対戦成績が悪くて、これはヤバいって思って、初球のど真ん中直球を見逃したら139キロ。(先発の)奥川くんは147、8出てたけど、全然速く見えた。追い込まれて何とか当てようと思って当てたらたまたま一塁線を抜けてくれた」。今回の対戦は3球ともに変化球。そして、落ち球を拾って2ランを放った。

 7月は8戦5発。月間28打数11安打(打率・393)と上昇気配を見せており、6月8日以来の打率3割台に戻した。守っては、7回1死三塁で青木の右飛を本塁に好返球して三走の生還を阻止。東京五輪の出場を目前に控えて、攻守ともに動きに切れが出てきた。

 ただし、4番の2発さえも白星にはつながらなかった。一日で今季ワーストの借金16に逆戻りした。「みんなが頑張っての結果なので(負けは)仕方ない。少しずつ、いい試合も増えてきているので、ちょっとしたことで変わると思う」。鈴木誠の復調がチーム浮上のきっかけとなる可能性はある。 (河合 洋介)

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