早田ひな 涙の銅メダル 17年美宇以来歓喜 石川佳純さん引退で「自分がそういう存在に」

[ 2023年5月28日 04:40 ]

卓球世界選手権個人戦第8日 女子シングルス準決勝   早田1-4孫穎莎 ( 2023年5月27日    南アフリカ・ダーバン )

女子シングルス準決勝で中国の孫穎莎に敗れた早田ひな(共同)
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 女子シングルス準決勝が行われ、世界ランキング10位の早田ひな(22=日本生命)は同1位で東京五輪銀メダルの孫穎莎(ソン・エイサ、22=中国)に1―4で敗れた。決勝進出は逃したが、準々決勝では同3位の王芸迪(オウ・ゲイテキ、26=中国)に4―3で勝利。この種目で自身初となる銅メダルを獲得し、女子シングルスで日本勢の表彰台は17年大会3位の平野美宇以来となった。

 世界最強の相手に早田が屈した。孫穎莎に第3ゲームまで連取されながら、第4ゲームは主導権を握って11―5で奪い返す。だが、続く第5ゲームで競り合いながらも8―11。「ボールの質が高かった。上には上がいるなと凄く思いました」。この種目では日本勢として1969年大会を制した小和田敏子以来、54年ぶりとなる決勝進出にあと一歩届かなかった。

 前日の準々決勝では死闘を制した。前回大会の4回戦で敗れた王芸迪との再戦。3―3で突入した最終第7ゲームでは、8―10と先にマッチポイントを握られた。だが、ここから粘りを発揮した。相手の9度のマッチポイントをしのぎ、自身が手にした3度目のマッチポイント。強烈なバックハンドで王芸迪の逆を突き、21―19で約1時間14分におよぶ戦いに終止符を打った。シングルスで自身初のメダル獲得が決まり「中国選手に勝つためにやってきたことは間違っていなかった」と感極まって涙を流した。

 今年5月で引退した五輪3大会連続メダルの石川佳純さんと同じサウスポー。憧れの存在をずっと追いかけてきた。「“石川さんがいるから大丈夫”と思っていた部分がある。安心感があって、空気で引っ張ってくれた」。東京五輪では補欠だったが「自分自身がそういう存在になれるように」と日本女子卓球界をけん引する覚悟を持ち、その思いを体現した。

 女子シングルスの日本勢では、17年大会の平野以来となる銅メダル。これによってパリ五輪に向けた選考ポイントを上積みし、2位以下に200点差以上をつけるなど独走態勢に拍車をかけた。「日本代表として戦うことに責任を持ちたいし、努力する方向は間違っていなかったと思う」。五輪という大舞台へ、進化を止めない。

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