【二所ノ関親方 真眼】長期休養も心は折れず 照ノ富士の復活優勝は称賛に値

[ 2023年5月28日 04:45 ]

大相撲夏場所14日目 ( 2023年5月27日    両国国技館 )

優勝を決めて勝ち名乗りを受ける照ノ富士(撮影・久冨木 修)
Photo By スポニチ

 まさに今場所の集大成のような一番でした。照ノ富士は左半身になって、前まわしに左手がかかった。その瞬間、勝負ありでした。霧馬山は必死に活路を見いだそうとしてもあり地獄のように不利な体勢となり、完全に横綱ペース。最後は相手のまわしを切って出るという小技も見せ、横綱の良さが全部出た印象です。

 不屈の努力と精神力でつかんだ復活優勝でした。昨年10月の秋巡業。稽古などで照ノ富士を間近で見ましたがお尻は肉が落ちていて、これで最後なのかなとも感じていました。しかし今場所はお尻の肉付きもよく、上半身の張りも申し分ありません。わずか半年ちょっとで体を戻してきました。私も横綱時代に長期休養を経験しています。メンタル面でも相当追い込まれましたが、照ノ富士の闘志は全く折れなかった。私の常識からは考えられないことです。

 一人横綱として角界を背負う状況で見事なまでの復活。この優勝は称賛に値します。勝った瞬間の険しい表情は大関以下に「まだまだ精進が足らないぞ!」と訴えているようでした。(元横綱・稀勢の里)

続きを表示

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

2023年5月28日のニュース