琉球が千葉Jを破り初優勝 米国生まれの日本人フリッピンがMVPを獲得 決勝前には富樫と“舌戦”

[ 2023年5月28日 18:46 ]

Bリーグチャンピオンシップ決勝第2戦 ( 2023年5月28日    横浜アリーナ )

第2クオーター、シュートを放つ琉球・フリッピン(右)
Photo By 共同

 リーグ史上最多1万3657人の観衆を集め、2戦先勝方式の決勝第2戦が行われ、琉球(西地区1位)が千葉J(東地区1位)に88―73で勝利し、2連勝で初優勝を果たした。昨季は決勝で宇都宮に敗れて準V。3月の天皇杯決勝は千葉Jに敗れて頂点を逃しており、二つの雪辱を果たした。ポイントガードのフリッピン・コー(26)が途中出場で27分プレーし、チーム最多21得点、8リバウンドの活躍で、決勝のMVPを獲得。チャンピオンシップ(CS)全6試合で1試合平均20得点を挙げたアレン・ダーラム(34)がCSのMVPに輝いた。

 金の紙吹雪を浴び、琉球の選手たちが喜びを爆発させた。bjリーグ時代は4度頂点に立ったが、Bリーグは発足7季目で悲願を達成。初優勝の立役者となったフリッピンは「終了のブザーが鳴った時はいろいろな感情が湧いた。沖縄のプライドを持っているし、優勝はプライスレス。本当にうれしい」と実感を込めた。

 大舞台で最高のパフォーマンスを発揮した。6本中3本の3点シュートを決めるなどチーム最多21得点、8アシストと躍動。9分43秒の出場で3度のターンオーバーを犯した第1戦の低迷を帳消しにしてあり余るプレーで、決勝のMVPを獲得した。2季前は千葉Jに在籍して優勝を経験。決勝前、親交の深い富樫には「俺なしで千葉Jは優勝していない」と豪語し「彼なしで優勝したい」と返されていたが、有言実行の活躍となった。

 生まれ育ちは米国だが、母が沖縄県出身の日本人で日本国籍を持つ。幼い頃は夏場を沖縄で過ごすことも多かった。今夏に開催されるW杯(8月25日開幕、日本、フィリピン、インドネシアの3カ国共催)に出場する日本代表はオーストラリア、ドイツ、フィンランドと同組となった1次リーグを沖縄アリーナで戦う。フリッピンにとっては本拠地で世界に挑戦できるチャンスだが、ホーバス・ジャパンではポイントガードとして富樫、河村勇輝(横浜BC)、テーブス海(滋賀)に次ぐ、4番手以下の立場。高い身体能力を誇り爆発力はあるだけに、好不調の波を減らすことが、逆転でのW杯メンバー入りの鍵を握りそうだ。

 ◇フリッピン・コー 1996年5月20日生まれ、米カリフォルニア出身の26歳。母が沖縄県出身の日本人のため、日本国籍を持つ。NCAA(全米大学体育協会)カリフォルニア大学リバーサイド校、NAIA(カレッジ体育協会)のドエイン大を経て、19年6月に千葉Jに加入。21年6月に琉球に移籍した。19年のウィリアム・ジョーンズ杯で日本代表デビュー。試合前の瞑想がルーティン。身長1メートル88、体重75キロ。

続きを表示

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

2023年5月28日のニュース