「チーム照ノ富士」の勝利 両膝手術決断後押し「お互いに納得できるストーリーを」

[ 2023年5月28日 04:45 ]

大相撲夏場所14日目 ( 2023年5月27日    両国国技館 )

照ノ富士(左から3人目)の両膝手術を担当した高橋憲正医師(左から2人目)ら船橋整形外科のスタッフ
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 照ノ富士は伊勢ケ浜部屋の篠原毅郁トレーナーから紹介された千葉県船橋市の船橋整形外科で昨年10月、両膝の内視鏡手術を受けた。元々左膝が悪く、土俵では右足で踏ん張った。ところが右膝も負担が重なり、俗に「皿」と呼ばれる膝蓋(しつがい)骨が外側へずれた。この右膝だけ手術するか、両方するかの分岐点で照ノ富士が「両方」を決断した。

 「右膝だけでなく、左膝を良くした方が右膝への負担も減る。どうせ休むなら両方一気に、と横綱が選択したのが良かった」。高橋憲正副院長は当時の決断を称える。

 関節部分にできた骨棘(こっきょく=骨のとげ)は実は左膝の方が大きく、可動域を狭めていた。「ゴリッ、ゴリッと音がして、痛み止めを打たないとどうにもならない状態」。骨棘を削って可動域を広げる処置をした。

 「自分で納得できないと治療も積極的にできない。お互いに納得できるストーリーをつくってやってきた」。手術からリハビリ、稽古再開、土俵復帰、そして優勝。普通なら医師から提示される治療法を、照ノ富士は蓄えた知識と自らの感覚によって「ここが痛いので痛み止めを」「今日は潤滑油のヒアルロン酸で」と要望する。よほど的外れや体に負担のかかる治療法でなければ応えたという。復活優勝は医療スタッフ、トレーナーら「チーム照ノ富士」の勝利でもあった。

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