“凱旋試合”で笑顔あふれる 7位の平野歩夢 スケボーの原点を再確認

[ 2022年11月27日 22:18 ]

スケートボードマイナビ日本選手権最終日 ( 2022年11月27日    新潟・村上市スケートパーク )

<スケートボードマイナビ日本選手権最終日>パーク男子で7位に終わり、優勝した永原悠路(左)をグータッチで称える平野歩夢
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 パーク男子は準決勝と決勝が行われ、昨夏の東京五輪代表で今年2月の北京冬季五輪スノーボード・ハーフパイプ(HP)で金メダルを獲得した平野歩夢(23=TOKIOインカラミ)は7位に終わり、19年以来の優勝を逃した。

 スノーボードとスケートボードの異種2競技を通じて、北京五輪以来の公式戦出場となった平野歩の挑戦が終わった。25日の予選、この日の準決勝といずれも1位通過していたが、決勝では1回目に最初のエアに失敗すると、2、3回目は終盤の大技540でいずれも転倒。得点は3回目に出した51・07点にとどまり、3年ぶりの優勝を逃した。

 地元の村上市で開催されること、そして6、7年ぶりという兄・英樹さんとの兄弟出場がモチベーションとなり、今大会にエントリー。大会2日前に右膝を痛め、予選当日朝まで出否を迷っていたというが、最終的に出場を決断。北京五輪決勝では3回目に大逆転して優勝するなど、これまでも勝負強さを見せてきた平野歩だが、この日ばかりは勝負の女神に見放された。

 ただ、本人も「死と隣り合わせ」というスノボの競技会と違い、今大会は24日の公式練習、25日の予選、そして最終日と常に笑顔であふれた。五輪王者となったスノボと違い、あくまで挑戦者として臨んだ今大会。10歳以上年の離れたキッズと予選突破を争い、決勝の合間にはライバルでありスケボー仲間である選手と談笑するなど、雪上では決して見せない笑顔の連続だった。

 7位に終わったことで強化指定は逃した。来年1、2月に開催される世界選手権(UAE)代表入りも厳しい状況だが、地元を沸かせ、スケボーシーンを盛り上げた平野歩。この日は本人の取材対応はなかったが、今大会で兄弟出場を果たした兄・英樹(えいじゅ)は「地元の大会なので、自然と兄弟出場になったが、一緒に出て凄く楽しかった」と最愛の弟に優しいまなざしを向けた。

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2022年11月27日のニュース