1メートル58比嘉一貴 歴代最小兵の賞金王誕生!「僕がなったら夢ありませんか?」1年前の言葉証明

[ 2022年11月27日 13:54 ]

男子ゴルフツアー・カシオ・ワールドオープン最終日 ( 2022年11月27日    高知県・Kochi黒潮CC=7335ヤード、パー72 )

<カシオワールド・最終日>18番、賞金王を決め、同伴組の小鯛、出水田から祝福される比嘉一貴(撮影・井垣 忠夫)
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 比嘉一貴(27=フリー)が初の賞金王戴冠を決めた。今季ここまで4勝。身長1メートル58と歴代最小兵の賞金王誕生となった。

 ツアー本格参戦4季目の今季は、ここまで自己最多の4勝を挙げた。飛躍の裏には体、技術での進化がある。昨オフに体を大きくする従来のパワー重視の筋力トレーニングから、体の動きをスムーズにするための自重トレーニングに路線を変更。メジャー初制覇となった6月のツアー選手権森ビル杯で賞金ランキングトップに立ち、そこから一度もその座を譲らない安定感につながった。

 技術面では、アイアンショットの精度が増した。ショットの練習時間は今季が最も短いという。「やみくもに打たなくても、チェックポイントは分かる」。これまでの経験を生かした密度の高い練習。これが、武器のアイアンショットにつながる。昨季は67・63%で全体26位だったパーオン率が、今季ここまで同70・767%で6位と数値にも表れた。

 10歳の時に父・洋さん(60)にゴルフ場に連れて行ってもらい、初めてクラブを握った。毎回ティーアップしてはいたが、1Wとパターで17ホールを98で回った。「一回も空振りをしなかった」。それを見た父に勧められ、競技を始めるきっかけになった。強豪・東北福祉大を経て17年にプロ転向。しかし、QT(予選会)はサードで失格。戦いの場を求めてアジアツアーの予選会に挑み、同下部ツアーに参戦した経歴を持つ。

 今季ツアーメンバー225人中、最小兵の27歳。昨年8月こと。長嶋茂雄招待セガサミー・カップで通算2勝目を挙げた時に、こう言っていた。「僕が賞金王になったら夢がありませんか?ゴルフが体のハンデがない競技だと思ってもらえる」。その思いを、結果で証明した。

 ◇比嘉 一貴(ひが・かずき)1995年(平7)4月23日生まれ、沖縄県出身の27歳。10歳でゴルフを始め、高校時代に宮里優作らの父・優さんの指導を受ける。東北福祉大時代に15年ユニバーシアードで団体と個人の2冠。17年にプロ転向し、18年からシード入り。19年KBCオーガスタでツアー初優勝。1メートル58、70キロ。

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