アメフト近大 負傷欠場のQB中井が胸を熱くした2TDパス「僕もやったことないのに…」

[ 2022年11月26日 18:36 ]

関西学生アメリカンフットボール1部リーグ   近大14ー28関大 ( 2022年11月26日    万博記念競技場 )

<関大・近大>膝を負傷し、サイドラインから戦況を見つめる近大QB中井
Photo By スポニチ

 試合に出ていないのに、近大QB中井琉来愛(4年)には不思議な爽快感があった。前節(13日)の立命大戦でヒザに大ケガを負い、サイドラインで迎えた4年間のラストゲーム。チームも関大に敗れ、悔しさや憤りで支配されるはずだった胸には、違う感情が生まれていた。

 「清水、ムチャクチャ良かったですよね。TDパスを2本も決めて…。僕もやったことないのに(笑い)。パスで取れたのが本当にうれしかった」

 欠場が決まった後、エースQBは自分のノウハウをすべて代役で出場する清水大和(4年)に伝えた。代役といっても、清水は昨年までQB。中井のパスの精度が上がったため、チーム事情でRBに専念していた。もともとラン一辺倒だったオフェンスが、中井の台頭でパスとのバランスが向上。近大が進むべき道が見えた2本のTDパスに、中井は心底喜び、満足していた。

 「うちの2回生にはQBがいるし、卒業するまでに自分の学んだものを伝えていきたい」

 そう話す中井は卒業後、高校時代(開志国際高)を過ごした新潟県で就職し、作物の土を作る会社に就職する。「自分の作ったものを全国に届けたい」。夢を語る横顔に、11月の柔らかい日差しが降り注いでいた。

続きを表示

2022年11月26日のニュース