朝乃山 6勝目で来場所関取復活濃厚も「優勝を目指してやってきたので悔しい」

[ 2022年11月26日 05:06 ]

大相撲九州場所13日目 ( 2022年11月25日    福岡国際センター )

<九州場所13日目>上戸(右)をよりきりで破った朝乃山(撮影・成瀬 徹)
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 元大関の幕下・朝乃山(28=高砂部屋)が上戸(かみと、27=立浪部屋)を寄り切って6勝目を挙げ、来場所の関取復帰が濃厚になった。

 元大関らしい盤石の内容で今年最後の取組を締めた。立ち合いすぐに右を差して左上手を取った朝乃山が万全の体勢で相手に何もさせずに寄り切った。「悔いのないように自分の相撲を取りきることだけ考えました」。東幕下4枚目で6勝1敗とし、来場所の再十両昇進が確実となった。

 今場所を取り終え「優勝を目指してやってきたので、それが達成できなかったことが悔しい。ここ一番で(力を)発揮できない自分が弱かった」と2場所連続で喫した1敗を悔やんだ。6場所の出場停止処分が解けて名古屋場所から復帰した今年一年、一番印象に残っているのは、秋場所の6番相撲で勇磨に敗れたこと。「勝って当たり前の状況の中で勝てなかったことが悔しかった」。精神的にも、今後の相撲人生に大きな影響を与える一番となった。

 今場所喫した1敗も、慌てて出ていくところを左へ回り込まれて逆転される同じような内容。しかし精神面は先場所とは違った。元大関のプライドを捨てたことでショックは引きずらず、師匠の高砂親方(元関脇・朝赤龍)の「過去には戻れないから前に進んでいこう」という言葉を受けてすぐに前を向いた。「あの1敗があったからこそ…」。秋場所の黒星は朝乃山の心を成長させていた。

 今年の反省を踏まえ「一番一番しっかり自分の力を発揮できるようにしたい」と来年を見据えた。関取復帰を果たして迎える新しい年。今度は大関の地位に戻ることを目指し、また一歩ずつ歩んでいく。

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2022年11月26日のニュース