15歳の伊藤美優が初優勝 男子顔負けの大技で高得点 スケートボードマイナビ日本選手権

[ 2022年11月26日 17:17 ]

スケートボードマイナビ日本選手権第3日 ( 2022年11月26日    新潟・村上市スケートパーク )

<スケートボードマイナビ日本選手権第3日>ストリート女子でメダルを獲得し、副賞のボードを手に笑顔の(左から)織田夢海、伊藤美優、西矢椛
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 ストリート女子決勝が行われ、昨年3位の伊藤美優(15)が合計18・24点で初優勝を果たした。0・01点差の2位に織田夢海(16)、3位に東京五輪金メダルの西矢椛(15)が入った。五輪銅メダルの中山楓奈(17=ムラサキスポーツ)は7位だった。決勝は45秒間のラン2本のベストスコア、ベストトリック5本のうちの上位2本分の計3本分の得点で争われた。

 見事、着地に成功すると、会場内は大きな拍手に包まれた。ベストトリックの3本目、伊藤は2本目に失敗していた「ハードフリップ」に再挑戦。8段分の階段で板を回しながら下りる高難度の技を決めきり、本人の表情も思わず緩んだ。6・87点の高得点を叩き出し、その時点でトップへ浮上。結局、そのまま逃げ切り、見事新女王の座に就いた。

 「やりたいことを全部できた。ここ(村上市)はホームではないが、結構来て練習しているので、絶対に優勝したいと思っていた」

 山形県上山市出身。小2で始めたスノーボードのオフトレーニングのために小3でスケートボードを買い与えられると、そっちにどんどんはまっていった。小4で大会デビューを果たして頭角を現し、昨年の日本選手権は3位、今年5月の日本オープンでは2位。その後は海外の大会にも出場し、今回が主要大会で初タイトルとなった。

 「最初は遊びでやっていた」というハードフリップは、大きな高低差と距離を板を回しながら飛び降りるという恐怖心を伴う技のため、女子では使う選手が稀だという。日本代表の西川隆監督も「(飛んでいる最中に)足元が見えないので難しい」と評す技だけに、伊藤にとっては最大の強みと言える。

 今大会の優勝で、来年1、2月の世界選手権(UAE)代表入りは確実。早くも2年後に迫ったパリ五輪代表入りも視野に入る。「自分はまだ技が少なくて実力不足。技を増やして、勝てる選手になりたい」と伊藤。東京五輪で表彰台2つを占めたストリート女子日本勢に、また新たなスター候補が誕生した。

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