【玉ノ井親方 視点】高安は体が硬くなっていた 千秋楽は巴戦もあると思って開き直って取った方が良い

[ 2022年11月26日 19:25 ]

大相撲九州場所14日目   ●輝(はたき込み)高安○、●豊昇龍(引き落とし)阿炎○ ( 2022年11月26日    福岡国際センター )

<大相撲九州場所14日目>輝(左)をはたき込みで破る高安(撮影・成瀬 徹)
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 意識するなという方が難しい。

 高安は輝に押されながらも、うまく回り込んではたき込み、初優勝に王手をかけた。

 気になったのは足が前に出ず、両足がそろってしまう場面が何度かあったことだ。相手の動きをよく見て、慎重に取っているという見方もできるだろうが、目の前に賜杯がチラついて、重圧が体を硬くさせたのではないか。

 過去に何度もチャンスを逃していて、勝ちたい気持ちが人一倍あるのはよく分かる。だが、今のままでは千秋楽の阿炎戦は少し心配だ。2人の対戦成績は4勝4敗の五分。ただ、ここ2場所は阿炎が連勝している。

 高安は立ち合いからのかち上げて相撲のリズムをつくるタイプ。その生命線を阿炎のもろ手突きでかわされると、バタついて流れが悪くなる可能性もある。相手は引き技もうまい。気持ちばかりがはやって、足がついていかないと阿炎の術中にはまる。

 大事なのはしっかり足を前に出して、安易に引かないようにすることだ。

 かりに阿炎戦に破れても、もう一番、決定戦もしくは巴戦がある。

 開き直って目の前に一番に集中し、とにかく足を前に出して攻め続けることだ。そうすればおのずと道は開ける。
(元大関・栃東)

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