上田桃子 完全V王手!1日遅れ母の誕生祝いへ「しっかり地に足を着けてプレーしたい」

[ 2022年11月6日 04:30 ]

女子ゴルフツアー TOTOジャパンクラシック第3日 ( 2022年11月5日    滋賀県 瀬田GC北C=6616ヤード、パー72  )

10番、フリンジからパターでチップインバーディーを決める上田桃子(撮影・井垣 忠夫)
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 勝負師の本能が呼び起こされた。12番で2・5メートルのバーディーパットを打つ前に、上田はグリーン脇のリーダーボードを見た。「海外の選手が上に来ていて“そうだよな。日本の選手だけが上にいるわけはないな”と思いました。そこからスイッチが入りました。日本選手、なめられたらダメだなと」。そう自分にハッパをかけると12、13番で連続バーディーを決めるなどスコアを3つ伸ばし“完全V”に王手をかけた。

 発奮材料はもう一つあった。この日は会場で応援していた母・八重子さんの73歳の誕生日。前半で2つボギーを叩いた時にうつむく母の姿に心が痛んだ。「誕生日なのにハッピーじゃないんだろうなと思いました。母は前向きに頑張る私のプレーが好きなので」と気合を入れ直した。

 今季は4月の富士フイルム・スタジオアリスで早々に優勝。だが後半戦は3試合で予選落ちするなど不振に陥った。その時にコンビニで手にした“20年無敗”の伝説の雀士、桜井章一の「勝とうとするな 負けの99%は自滅である」が、復調のきっかけを与えてくれた。「勝つというより負けないというフレーズが衝撃的でした。1つ上の段階に行くにはまねるのではなく、自分を磨いていくということだと」。今は麻雀はやらないが、その本は遠征先にも持ち込んで目を通している。

 日本で開催される米ツアーの試合は過去2勝と相性が良い。3日間首位を守って迎える最終日に向け「欲を出し過ぎて空回りしないよう、しっかり地に足を着けてプレーしたい」と“負けない”ゴルフで3度目の大会Vに挑む。

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2022年11月6日のニュース