第100代学生横綱・チョイジルスレンの素顔 勉強で日本の大学に行くつもりが…

[ 2022年11月5日 20:40 ]

(左から)優勝・チョイジルスレン(日体大4年)、2位・中村泰輝(日体大4年)、3位・猿川天嵐(農大3年)、3位・花岡真生(日大2年)=撮影・前川 晋作
Photo By スポニチ

 第100回全国学生相撲選手権大会の第1日が5日、東京・両国国技館で行われ、チョイジルスレン(日体大4年)が個人戦を制して学生横綱を獲得した。

 出身はモンゴルのオブス県。首都のウランバートルからは約1300キロ離れており、ロシアとの国境に位置する。小学生時代はサッカー、中学生ではレスリングとモンゴル相撲に取り組んだ。15年11月にウランバートルで開かれた相撲大会で好成績を残して神奈川・新名学園旭丘高の岸田光弘監督のスカウトを受け、ダライバートル(現・日体大4年、今大会ベスト16)とともに16年春に来日。そこから本格的に相撲を始めた。

 小中学生時代は数学の勉強にも力を入れており、数学オリンピックに出場するほどの実力だった。日本のアニメにも興味があり「勉強しに日本の大学へ行ってみたかった。大学行くなら日本の大学へと思っていた」という。結果的に高校から相撲留学することになり「まさか相撲で日本の体育大学に行くとは」と笑いながら当時を振り返った。来日当初は日本語が全く話せず、テレビ番組の字幕を見たり、先輩に日常会話を教わったりして勉強。日本に来て7年、今では流暢な日本語を完璧に使いこなしている。

 神奈川・新名学園旭丘高3年時には全国高校総体で個人戦準優勝の実績を残した。決勝で埼玉栄高の齋藤大輔(現十両・北の若)に敗れて高校横綱を逃したことが「心残りだった」という。この日は高校時代の恩師である岸田光弘監督も来場。4年越しの“横綱”獲得に「最後の最後で恩師に良いところを見せられた」と喜んだ。かつて日本一を争った相手は今では関取。幕下15枚目格付け出し資格を得た自身も角界入りを目指しており「早く追いつけるように頑張りたい」と大相撲の世界での再戦を望んだ。

 ◇バドジャルガル・チョイジルスレン 2000年(平12)5月5日生まれ、モンゴル・オブス県出身の22歳。15歳で来日し、神奈川・新名学園旭丘高に相撲留学。2年時に関東大会無差別級優勝。3年時に全国高校総体準優勝。日体大1年時に東日本新人戦準優勝。2年時に全国学生選手権8強。東日本学生体重別大会無差別級で3、4年時に連覇。1メートル85、149キロ。

続きを表示

この記事のフォト

2022年11月5日のニュース