チョイジルスレンが学生横綱に 日体大同士の決勝で中村泰輝を撃破 卒業後は角界入り希望

[ 2022年11月5日 20:38 ]

学生横綱を獲得した日体大4年のチョイジルスレン(撮影・前川 晋作)
Photo By スポニチ

 第100回全国学生相撲選手権大会の第1日が5日、東京・両国国技館で行われた。

 全197選手で争われた個人戦は、チョイジルスレン(日体大4年)が初めての学生横綱を獲得した。史上初の日体大同士となった決勝、昨年のアマチュア横綱で優勝候補筆頭の中村泰輝(4年)を押し出しで破った。日体大の学生横綱は一昨年のデルゲルバヤル(現十両・欧勝馬)以来7人目。モンゴル出身としては、16年のトゥルボルド(日大=現十両・水戸龍)、デルゲルバヤルに続いて3人目となった。

 決勝は「思い描いていた最高の舞台」だった。日体大同期の中村泰輝とは3年前の5月、東日本新人戦の決勝で対戦し敗戦。4年間苦楽をともにした盟友と、学生横綱を懸けた大一番で顔を合わせた。立ち合い右差しを狙ってきた相手に対し押して出ていくと、右へ右へ回り込む相手の引きに乗じて前に出て最後は倒れ込みながら押し出し。「立ち合いで負けたら勝ち目がないので、差さずに前に走る相撲を取りました。僕の方が弱いので、勝つなら前に出るしかない。その気持ち一心で走りました」。この日1日を通して貫いてきた攻めの姿勢を大一番でも発揮した。日体大の齋藤一雄監督は「まわしにこだわらず、どんどん前に出ていましたね。私の指導を忠実に守っていた」と評価。インカレの舞台で史上初となった教え子同士の決勝を「明日(団体戦)があるので、どっちが勝ってもケガだけはしないでくれ」と見守っていた。

 チョイジルスレンは東日本の大会で2度の優勝経験があるが、全国優勝は初めて。「この日のために頑張ってきた」と懸ける思いは強かった。「前に出る相撲に磨きをかけるために」と、食事を1日5食に増やすなど増量に励み、8月末からわずか2カ月強で10キロも増やしたという。学生横綱のビッグタイトルを獲得し「(「横綱」と)言われて凄くうれしいですね」と笑顔をはじけさせた。これで幕下15枚目格付け出し資格を獲得。「そういえばそうだったですね。とにかく優勝することを目指していたので」と資格についてはあまり意識していなかったが、卒業後は「大相撲で行けるところまで自分の力を試したい」と大きな夢を描いた。

 ◇バドジャルガル・チョイジルスレン 2000年(平12)5月5日生まれ、モンゴル・オブス県出身の22歳。15歳で来日し、神奈川・新名学園旭丘高に相撲留学。2年時に関東大会無差別級優勝。3年時に全国高校総体準優勝。日体大1年時に東日本新人戦準優勝。2年時に全国学生選手権8強。3、4年時に東日本学生体重別大会無差別級で連覇。1メートル85、149キロ。


 ▽個人戦 二次トーナメント4回戦
猿川天嵐(農大3年) 押し出し 山本剛瑠(日大2年)
池田俊(金沢学院大3年) 押し出し 春山万太郎(日大4年)
岡田晃周(日体大3年) すくい投げ 亀井颯人(東洋大3年)
中村泰輝(日体大4年) 寄り切り 山崎勝磨(近大3年)
草野直哉(日大3年) 押し倒し 藤澤詩音(近大4年)
チョイジルスレン(日体大4年) 寄り切り 五島雅治(拓大2年)
花岡真生(日大2年) 上手投げ ダライバートル(日体大4年)
三田大生(近大3年) 突き落とし 大森康弘(金沢学院大1年)

 ▽準々決勝
猿川天嵐 突き落とし 池田俊
中村泰輝 押し出し 岡田晃周
チョイジルスレン 寄り切り 草野直哉
花岡真生 上手投げ 三田大生

 ▽準決勝
中村泰輝 押し出し 猿川天嵐
チョイジルスレン 寄り切り 花岡真生

 ▽決勝
チョイジルスレン 押し出し 中村泰輝

続きを表示

この記事のフォト

2022年11月5日のニュース