NBAの日本人対決は渡辺が4戦全勝 今季自己最多の14得点 同時オンコートは15分1秒

[ 2022年11月5日 10:27 ]

八村をマークする渡辺(AP)
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 ウィザーズの八村塁(24)とネッツの渡辺雄太(28)が4日、ワシントンDCで対戦。八村が18分の出場で今季自己最少の2得点と2リバウンドに終わったのに対し、渡辺は24分の出場で2本の3点シュートなどで今季自己最多の14得点と8リバウンド、1スティール、2ブロックショットをマークした。

 試合はカイリー・アービング(30)を出場停止処分、ベン・シモンズ(26)とセス・カリー(32)を故障で欠いているネッツが128―86(前半69―57)で勝ってロード3戦目で初白星。今季の成績を3勝6敗とし、“NBA日本人対決”では渡辺が八村に対して4戦全勝となった。ウィザーズは4勝5敗。42点差の敗戦は今季ワーストで、ホームでは2勝3敗と黒星が1つ先行している。

 八村も渡辺もベンチ・スタートで、第1Qの7分9秒に最初にコートに入ったのは八村。その直後に左サイドからのドライブからゴール下でシュートを決めて初得点を記録した。

 渡辺は八村が出場してから2分30秒後にコートに登場。八村との過去3回の対戦(グリズリーズで2回、ラプターズで1回)ではすべて無得点に終わっていたが第1Q残り52・5秒に左コーナーから今季8本目の3点シュートを成功させ、“日本人選手対決”で初得点をマークした。

 ウィザーズのディフェンスの際には八村が渡辺にマッチアップ。渡辺もディフェンスではドライブを仕掛けた八村をマークする場面もあり、お互いに笑顔をのぞかせながらもコート上では火花が散った。

 八村が第2Q3分44秒にベンチに退いたために前半での2人の同時オンコートは5分55秒。2人がプレーしている間のチームスコアは18―11でネッツが7点上回った。

 第3Qではネッツが89―64とリードしていた7分11秒から2人同時に出場。八村は3点シュートを外したが、渡辺はキャム・トーマス(21)の外したシュートを押し込んで4得点目をマークした。

 渡辺は第4Qにシュートを八村にブロックされたものの、このクオーターでは2本目の3点シュートも成功させて7得点。八村が37点差がついた4分17秒にベンチに退いたために2人の同時オンコートは15分1秒でピリオドを打ったが、4回の対戦では最長となった。

 八村の出場時間帯のチームスコアはマイナス22で、2ケタ得点は7試合連続でストップ。今季の平均得点は11・0から10・0にダウンし、3点シュートの成功率は23・5%となっている。

 一方、渡辺の出場時間帯のチームスコアはプラス21で、平均得点は4・4から5・6に上昇。八村とは対照的に3点シュートは15本中9本を決めており、成功率は60・0%となった。

 ネッツでは1日にスティーブ・ナッシュ監督(48)が退任。今季26・9得点を挙げていた主力ガードのカイリー・アービング(30)は“反ユダヤ主義”の映画のリンクを貼ったことに端を発する行動と言及への謝罪拒否で(4日になってSNSで部分的に謝罪を表明)、少なくとも5試合の出場停止処分を科せられるなど、チーム内は大揺れとなっていた。

 アービング問題について「ヘイトスピーチは容認しないが、自分は人がどういう見方をしてどう感じているのかは論評しない。ただ今、起こっていることはすべてが不必要で好ましいことではない。我々はバスケットボールに集中し、組織として沈黙を守るべきだった」と試合前に語ったケビン・デュラント(34)は28得点、9リバウンド、11アシストを稼いでチームを引っ張った。

 なおネッツとウィザーズは11月30日にネッツの地元ブルックリンで対戦することになっている。

 <八村の全オフェンス>
 ▼第1Q(出場4分51秒=2得点)
(1)8分21秒・左サイドからインサイドへドライブ。右手でフック気味のシュート=○
(2)9分50秒・右サイドからインサイドを突いたがクラクストンにブロックされる=×
(3)10分16秒・フリースローライン付近からジャンプシュート=×
 ▼第2Q(出場3分44秒=無得点)
(4)20秒・左ローポスト付近からのパワープレー。ゴール下でダブルクラッチ=×
 ▼第3Q(出場4分49秒=無得点)
(5)8分22秒・左サイドから3点シュート=×
 ▼第4Q(出場4分17秒=シュート機会なし)

 <渡辺の全オフェンス>
 ▼第1Q(出場2分11秒=3得点)
(1)11分7秒・左コーナーから3点シュート=○(アシスト・デュラント)
 ▼第2Q(出場5分2秒=シュート機会なし)
 ▼第3Q(出場4分49秒=2得点)
(2)10分44秒・トーマスが外したシュートをティップ=○
 ▼第4Q(出場12分=9得点)
(3)1分39秒・速攻からトーマスのパスを受けてレイアップ=○(アシスト・トーマス)
(4)2分43秒・ゴール下でシュートを放つも八村にブロックされる=×
(5)3分29秒・右コーナーから3点シュート=○(アシスト・デュラント)
(6)3分57秒・スティールから速攻=○
(7)4分28秒・正面やや右から3点シュート=×
(8)9分20秒・デュークJRの外したシュートをダンク=○


 <過去の八村VS渡辺>
 ▼2019年12月14日=渡辺所属のグリズリーズが地元メンフィス(テネシー州)でウィザーズに118―111で勝利。八村は29分で10得点、4リバウンド。渡辺は7分で無得点。同時オンコートは1分9秒間。
 ▼2020年2月9日=グリズリーズが敵地ワシントンDCでウィザーズに106―99。八村は25分で12得点、11リバウンド。渡辺は10分で無得点。同時オンコートなし。
 ▼2022年1月21日=渡辺所属のラプターズがワシントンDCで137―115で勝利。八村は28分で11得点、8リバウンド。渡辺は6分で無得点。第1Q7分35秒、ともにベンチから出場して同時オンコートは5分47秒間。

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