日本OP95年ぶりアマVへ蝉川が独走 9番で圧巻イーグル!2位に6差つけた

[ 2022年10月23日 04:15 ]

男子ゴルフツアー日本オープン第3日 ( 2022年10月22日    兵庫県 三甲GCジャパン=7178ヤード、パー70 )

第3日、2番でセカンドショットを放つアマチュアの蝉川泰果
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 アマチュアの蝉川泰果(21=東北福祉大4年)が2つの偉業に王手をかけた。9番パー4で1オンのイーグルを奪うなど圧巻の63で回り、通算13アンダーまで伸ばして2位の比嘉一貴(27=フリー)に6打差をつけた。逃げ切れば、9月のパナソニック・オープン以来、史上初のアマチュアのプロトーナメント2勝目。日本オープンでは1927年第1回大会の赤星六郎以来95年ぶりのアマチュア優勝となる。

 1ミリも迷わなかった。ピンまで実測273ヤードの左ドッグレッグの9番パー4で蝉川は果敢に1オンを狙った。「距離がピッタリのクラブ」という3Wを思い切り振り抜くと、ボールはグリーン手前に広がる池を越えピン右7メートルに着弾。これを1発で沈め何度もガッツポーズをつくった。全66選手で1オンに成功したのはわずか4人。その中でイーグルを決めたのは蝉川だけ。観客からは大歓声が上がった。

 「満点です。興奮しました。大勢のお客さんの前であの一打を打てたのは気持ちが良かった」

 キャディーを務めているジュニア時代からの友人の石過(いしか)龍次郎さん(22=関学大4年)も「ガンガンいくのが泰果のゴルフ。あの場面で(スコアを)守る気持ちは1ミリもありませんでした」とその強気の姿勢を改めて称賛。後半も難コースにひるむことなく攻め続け、初日に自身がマークしたアマチュアの日本オープン最少スコア64を1打更新してフィニッシュした。

 今はまだアマチュアだが、意識は既にプロと同じだ。「歓声が上がるとテンションも上がります。(プロゴルファーは)楽しい職業だなと思います」。思い描くのは、名前の由来となったタイガー・ウッズや12、14年マスターズ覇者のバッバ・ワトソンの“魅せる”プレーだ。ワトソンが14年マスターズのプレーオフで林から大きく曲がるフックでピンチをしのいで勝った場面は今でも鮮明に記憶している。

 「予想を超えるプレーをする選手は憧れ。僕も魅せるゴルフをしたい。明日も10アンダーを出すくらい、伸ばすことを意識して勝ち切りたい」と2つの偉業に挑む最終日も“泰果流”の攻めるゴルフを貫く。

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