高藤直寿 山下泰裕らに並ぶ日本男子最多4度目V 60キロ級決勝“伝家の宝刀”小内刈りで一本

[ 2022年10月7日 04:46 ]

柔道・世界選手権第1日 ( 2022年10月6日    ウズベキスタン・タシケント )

柔道の世界選手権男子60キロ級で優勝し、喜ぶ高藤直寿。4度目の制覇を達成した
Photo By 共同

 男子60キロ級で東京五輪金メダリストの高藤直寿(29=パーク24)が4年ぶり4度目の優勝を飾った。世界選手権4度の優勝は、藤猪省三、山下泰裕、小川直也に並ぶ日本男子最多タイ。レジェンドたちに肩を並べ、連覇を目指す24年パリ五輪へ最高のスタートを切った。

 息の上がらない間に“伝家の宝刀”小内刈りで一本勝ちすると、高藤は右手で「4」をつくり、少しだけ笑った。井上康生前監督や大野将平を超え、全日本柔道連盟の山下泰裕会長らに並ぶ4度目の世界制覇。「研究してきたことが全部はまった」と、29歳のベテランらしく冷静に振り返った。

 井上ジャパンに初の世界タイトルをもたらした13年当時は怖いもの知らずの20歳。派手で豪快な技に加え、言動もヤンチャだったのは過去のことだ。16年リオ五輪で銅メダルに終わり、「面白くなくても負けない柔道」を追求して東京五輪を制覇。現役終盤が重なり、「距離が近い」という鈴木桂治監督にも初の世界一をもたらした。

 自他共に認める柔道マニア。五輪後に自分へのご褒美としてグレードアップした趣味のオンラインゲーム部屋は大型モニター3つを備え、時に研究部屋と化す。準決勝では五輪決勝で当たった楊勇緯(台湾)と対戦。1年2カ月前は延長戦まで粘られ反則勝ちした相手を終了間際の内股による技ありで破ったのは、「頭を使い、状況に合わせた戦いができるか」と語る、研究成果の表れだ。

 17~19年の3年間は常に2番手の永山竜樹との同時出場だったが、14年以来の単独出場で結果を出した。満票で東京五輪の代表に選出されなかったことを何より悔しがった高藤。有無を言わせぬ強さを見せつけ、2連覇が懸かるパリの舞台まで駆け上がる。

続きを表示

2022年10月7日のニュース