イエロー計4枚の大荒れもNZが“逆転サヨナラトライ”で連覇王手 オーストラリアは土壇場の遅延行為響く

[ 2022年9月15日 21:14 ]

ラグビー 南半球4カ国対抗ザ・ラグビーチャンピオンシップ第5節 ( 2022年9月15日    オーストラリア・メルボルン )

トライを決め喜ぶニュージーランドのサミソニ・タウケイアホ(中央)らフィフティーン(AP)
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 世界ランキング4位のニュージーランド(NZ)が激闘の末に同8位オーストラリアを敵地で39―37(前半10―10)と破り、3勝2敗として2連覇へ王手をかけた。オーストラリアは2勝3敗。NZはオーストラリア戦4連勝で通算121勝45敗8分けとした。両国は24日の最終節、NZのオークランドで対戦する。

 キックオフ前には8日に96歳で逝去したエリザベス英女王に黙とうがささげられた。NZは前半4分、ゴール前のラインアウトからモールを押し込み、フッカーのタウケイアホが右隅へ先制トライ(7―0)。同12分にはSOモウンガのPGで10―0とした。だが、オーストラリアは18分、19年W杯日本大会以来の先発となったSOフォーリー(東京ベイ)のPGで10―3。21分にFBケラウェイが右中間へ飛び込んだプレーはグラウンディングできずにノートライと判定されたが、26分にはゴール前ラインアウトからNo・8ヴァレティニが右中間へねじ込んで10―10と追いついた。

 フランカーのケイン主将が脳しんとうの疑いで交代していたNZはさらにフランカーのパパリイがイエローカードを受けて数的不利となったが、ゴール前のディフェンスで踏ん張ると、WTBクラークが自陣から突破して独走。オーストラリアはゴール前で止めたものの、プレーを妨害したWTBライト、密集でNZのCTBトゥパエアを負傷させたロックのスウェインが同時にイエローカードを受け、ハーフタイムを挟み13人での戦いを強いられた。

 後半1分、2人多いNZはFBジョーディー・バレットのロングキックで攻め込み、ターンオーバーから展開してタウケイアホが左中間へ勝ち越しトライ(17―10)。オーストラリアも8分にフォーリーのPGで17―13として15人対15人の戦いに戻ったが、今度はモールコラプシングの反則でSHゴードンがイエローカード。再び数的優位のNZは直後の12分、ラインアウト起点の攻撃からモウンガが左中間へ飛び込んで24―13とすると、15分には途中出場のボーデン・バレット(元サントリー)の相手裏へのショートパントをWTBジョーダンがキャッチして抜け、ポスト下へ走り込んで31―13とリードを広げた。

 だが、オーストラリアも21分にフォーリーの絶妙なオフロードパスでケラウェイが左中間へトライ(31―20)。26分にもケラウェイが右中間へ連続トライを決め、31―27と食い下がった。NZは31分にモウンガのPGで7点差に広げたが、オーストラリアは32分、左タッチ際でWTBコロインベテ(埼玉)のリターンパスを受けたフランカーのサムが左隅へ。フォーリーが難しい角度のゴールキックを決めて34―34と追いつくと、37分には途中出場のSHホワイトが約50メートルのロングPGを成功させて37―34と逆転した。

 NZは直後に敵陣で得た反則でPGを狙わず、ラインアウトからモールを押したが崩れて反則。試合は決まったと思われたが、オーストラリアがなかなかPKを蹴らなかったため、レフェリーのレイナル氏(フランス)は遅延行為と判定。ラストプレーでゴール前スクラムから攻め続けたNZはジョーディー・バレットが右隅へ“サヨナラ逆転トライ”を決め、敵地で劇的な勝利をもぎとった。

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2022年9月15日のニュース