NFL元パッカーズのファーブ氏が窮地 州知事の汚職に関与? 当事者同士のメールの内容が明らかに

[ 2022年9月15日 09:30 ]

公的資金の横領問題で渦中の人となっているNFL元パッカーズのブレット・ファーブ氏(AP)
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 米ミシシッピ州のフィル・ブライアント前知事(67=12年1月~20年1月)を巡る福祉基金の横領問題で、NFL元パッカーズのQBブレット・ファーブ氏(52)が窮地に立たされている。

 南部ミシシッピ州は米国内では最貧困の州とされているが、ブライアント元知事は月収が680ドル(約9万7000円)以下の世帯に生活保護を目的として支給されるべき計7000万ドル(約100億円)を、スポーツ選手やスポーツ施設建設のための基金に横流し。現在、FBI(連邦捜査局)が捜査を続けている。

 このうち110万ドル(約1億6000万円)は、架空の講演名目で「ミシシッピ地域教育センター」という非営利団体を通してファーブ氏に支払われており、同氏はこれを母校でもある南ミシシッピ大のバレーボール競技場の建設費に充てたとされていた。

 14日にはブライアント元州知事、ファーブ氏、さらに非営利団体のナンシー・ニュー元理事の3者間で取り交わされたメールの内容が明らかになり、AP通信は「できるだけ早い時期に会って、どのように彼の計画を予定通りに進めることができるのかを話し合いたい」(ブライアント氏→ニュー氏)、「とくにブレットの抱えるような計画についての事柄が万事うまくいっていることに感謝します」(ニュー氏→ブライアント氏)、「あなたとジョン(非営利団体のディレクター、ジョン・デービス氏)はとてもいい人だ」(ファーブ氏→ニュー氏)といったやりとりがあったことを報じている。

 またファーブ氏は2017年8月3日、「もしあなたが私にお金を払うと、メディアが金額とその出所を探るでしょう」というメールをニュー氏に送信。これに対してニュー氏は「私たちはそのような情報を公開したことはありません。不安になるのはわかりますが、大学側の関係者と話をしてみますので、その結果を待っていてください」と返信している。

 ファーブ氏は現時点では起訴されておらず、すでに50万ドル(約7200万円)を返済。ただし州の監査人が求めている利息分、22万8000ドル(約3300万円)は支払っていない。一方、ニュー氏はすでに有罪を認めて捜査に協力している。

 ファーブ氏は南ミシシッピ大から1991年のドラフトで2巡目(全体33番目)にファルコンズに指名されてNFL入り。翌92年にパッカーズに移籍し、シーズンMVPには95年から3年連続で選出された。97年のスーパーボウルではペイトリオッツを35―21で下しての優勝に貢献。バイキングスに在籍していた10年を最後に現役を引退していた。

 なお同氏の現役時代の総収入は1億3780万ドル(約197億円)。娘が2017年に南ミシシッピ大のバレボール・チームに在籍していたと伝えられている。

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