世陸東京開催 後押しした「国立サブトラック問題」解決 一方、維持費年間24億円捻出はどうなる

[ 2022年7月16日 05:25 ]

2025年、東京で世界陸上

国立競技場
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 【記者の目】世界陸上を新国立競技場で開催するにあたって、最大のネックとなっていたのは「サブトラックがない」ということだった。サブトラックは選手たちが競技直前に最後の調整をする必要不可欠な場だ。

 国際大会を開催する「第1種公認陸上競技場」には常設のサブトラックが義務づけられており旧国立競技場で開催された64年の東京五輪や91年の世界陸上、そして昨夏の東京五輪では隣接する神宮外苑に臨時のサブトラックを設けてこの条件をクリアした。

 そこで陸連は昨年、「五輪を開催した競技場はサブトラックなしでも第1種公認陸上競技場とする」と規則を改定。国際大会開催への支障を取り除いたことで、ようやく今回の誘致に結びつけることができた。

 陸上用のトラックを残すか、球技専用場へ改修するかの議論はこれで一定の結論が出たことになるが、肝心の国立競技場の「赤字問題」は一向に改善の見通しが立っていない。

 コロナ禍で、ただでさえ大規模イベントが激減している中、24億円にも上る巨額の年間維持費をどうやって捻出していくのか。国立競技場は東京五輪の最大のレガシーの一つだ。維持費の問題は建設前から指摘されていたことであり、このまま雪だるま式に赤字が膨れあがり“負のレガシー”となることは絶対に許されない。(編集委員・藤山 健二)

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2022年7月16日のニュース