【二所ノ関親方 真眼】逸ノ城 圧力とスピードに変化、集中できれば大きな夢を手に

[ 2022年7月16日 05:25 ]

大相撲名古屋場所6日目 ( 2022年7月15日    愛知・ドルフィンズアリーナ )

御嶽海(左)を破った逸ノ城(撮影・亀井 直樹)
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 今場所の逸ノ城の戦いぶりには大きな変化が感じられます。私も何度も対戦経験がありますが、最大の武器は前まわしを取りにいくときに無駄な動きが一切ないこと。勢いをつけたり、体を動かしながら取る力士がほとんどなのに、逸ノ城はそのまま取りにくる。気がついたら目の前に来ている感じで、対処は困難です。

 先場所までは動きも踏み込みも遅かったので、普通の力士と変わらなかった。ところが今場所は体の圧力とスピードがあるので、左前まわしに手がかかるのが早い。5日目の照ノ富士戦に続き、この日の御嶽海戦。目標に向かって一直線の動きが勝因となっています。今場所は体もしっかり出来上がっていて、圧力のかけ方も申し分ない。体の状態と技の出し方のバランスがいいと見ています。

 コロナ感染で夏場所を全休。稽古量が不足しているとなれば、終盤のスタミナが課題でしょう。やるべきことに集中できれば、大きな夢を手にすることができるはずです。(元横綱・稀勢の里)

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2022年7月16日のニュース