メジャー初出場の桂川が68と伸ばして18位で決勝へ「日本を背負って来てる。少しでもファンが増えれば」

[ 2022年7月16日 06:29 ]

米男子ゴルフツアー 第150回全英オープン第2日 ( 2022年7月15日    スコットランド・セントアンドリュース・オールドC=7313ヤード、パー72 )

<全英オープン・2日目>10番、ギャラリーの声援に応える桂川(撮影・西尾 大助)
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 首位と7打差の35位から出た桂川有人(23=国際スポーツ振興協会)が5バーディー、1ボギーの68と伸ばし、日本勢最上位となる通算5アンダーの18位で決勝に進んだ。首位とは8打差。メジャー初出場の新鋭が「聖地」セントアンドリュースで躍動している。

 右手を上げ、ギャラリーの声援に応じる姿も板についてきた。9番パー4。桂川は持ち球のフェードを右からのフォローにぶつけ、ワンオンに成功。約15メートルのイーグルパットは外したが、楽々バーディーで加速した。難所の17番では2打目がグリーン奥にこぼれたものの、スーパーリカバリーでパーセーブ。「自分でも褒めたい」と会心の笑みを浮かべた。

 おっとりした雰囲気の23歳。だが「松山さんだけが予選通過とならないようにしたかった」と言葉は力強かった。この日もミスは1番の3パットと、9Iか8Iで迷った後にグリーン奥へこぼした17番の2打目だけ。ほぼ完璧な内容でリーダーボードを駆け上がった。右手を上げるのも「日本を背負って来てる。少しでもファンが増えれば」と笑った。

 聖地で迎えた初のメジャーもメリハリを利かせ楽しんでいる。宿舎に帰ればネットフリックスのアニメ「スプリガン」に夢中。毎日、1話ずつ見て気分転換する。一方、練習ラウンドではジャスティン・ローズ(英国)と同組に飛び入り参加、グリーン上からのアプローチを伝授された。リンクス対策として、通常は持たない2Iも用意した。

 中学卒業後、単身でフィリピンにゴルフ留学。通信制の高校で学びながら3年間、笹生優花らと一緒に、風が強い環境に身を置いてきた。セントアンドリュースの風を苦にしないのはそのためだ。1月のSMBCシンガポール・オープン2位に入り、全英出場権を獲得。4月にはツアー初優勝を飾り、ゴルフ発祥の地に乗り込んできた。

 初出場の全英で日本人過去最高位は松山英樹が13年に記録した6位。「せっかくのメジャーなのでボードも見ながら楽しんでます。1枚目に名前を載せたいですね」。世界中の猛者が集結した聖地で、屈託なく笑った。

 ◇桂川 有人(かつらがわ・ゆうと)1998年(平10)10月9日生まれ、愛知県清須市出身の23歳。中学卒業後は単身フィリピンに留学し、帰国後は日大に進学。アマ時代は朝日杯優勝、文部科学大臣杯優勝、日本オープンローアマなど。20年にプロ転向。今季は20~21年下部ツアー賞金ランク3位の資格でツアー出場。4月のISPSハンダ欧州・日本トーナメントでツアー初優勝した。1Wの平均飛距離は290ヤード。1メートル67、70キロ。

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